徳山に感付かれないように、ちさとをおだてながら会話を続けた
宅澤「最初に見た時はモデルかアイドルの撮影かと思ったほどですからね。そんな人と付き合える彼氏さんって、なんて羨ましい」
実際にちさとの容姿は学生の頃から群を抜いていたし、性格の良さも相まって人気者でもあった
順風満帆な学生生活だったが、生真面目過ぎる性格が災いして俺と衝突したことが彼女の唯一の不幸だった
宅澤「いつ頃からお付き合いしてるんです?彼氏の職業は??」
矢継ぎ早の質問に困っている様子のちさと…自分の弱点になるであろう情報を晒さなければならない状況に顔色はいまだ青ざめたままだった
なおも食いつく様に質問しようとしたところ…
徳山「こらこら、そんなプライベートなことを根掘り葉掘り聞くもんじゃないよ」
若い同僚がおだてられている状況が微笑ましく思えたのか、徳山から穏やかに注意が入る
宅澤「ああ、そうですよね。すみません、調子に乗っちゃってw」
徳山「まあ、ちさとちゃんは可愛いし気持ちは分からんでもないからなw」
徳山には気に入られた様で、すっかりと打ち解けてしまいた俺との雑談は交番まで続いた
宅澤「勤務中だったのにすみません、雑談にまで付き合ってもらって」
気にするなとにこやかに答えた徳山が、ちさとの気持ちに気付きもせずに「またいつでも来なさい」と言ってくれた
それを聞いたちさとが慌てて何かを言おうとしたのだが
宅澤「本当ですか!?ありがとうございます、また伺いますね」
間伐入れずに答えるとちさとを見てニヤリと笑った
(同僚の了解も貰ったし、次は徳山が居ない時を狙ってお邪魔するかな)
尚も浮かない顔のちさとを気にも留めず交番を後にした
―その夜―
宅澤「付き合ってる彼氏が居るらしいじゃないか?徳山ってじいさんが邪魔で聞けなかったが、いろいろ教えて貰おうか?w」
昼間に聞き出したちさとの携帯に早速連絡を入れる…
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