「ファザコン…ね。
友達からそんな風に言われるんなら、少なからずそんな雰囲気を感じ取った俺の感覚もズレてはなかった、ということかな…?」
少しずつ見えてくる正直の価値観、癖、背景。
相手は盗撮魔だと言うのに、聞かれた事にはちゃんと答える真面目さ、素直さ。
既に怖さや嫌悪感よりも興味の方が勝っているように感じられる。
そもそも嫌悪感など感じていたのだろうか、とさえ思えるほどに。
『そうか…、お父さん…、あるいはお父さんに近い年代の男には何か思うところがあるのかな…?
盗撮に気づいても、その白いぱんつを見せ続けてくれた事にも何か意味があったのな…?
君の言う通り、私がやった事は卑劣で恥ずかしくて堪らないことだと思う。
でも、君はそれを知った上でも避けるとも拒むとも、逃げるともしなかった。
どうしてだろうね…?
撮った動画を見て私がどうしているか、想像したかい?』
ある種の質問攻め。
少女の腹の中を探るように、そしてその文字ですら性癖を満たそうとするように、撮られた動画で何をされている想像しているかまで聴き始めた。
『君の言うように、初めてじゃない。何人も試みたことはあるそれは正直に言おう。
でもね?
君を初めて撮った日から、別の子にカメラを向けてはいないんだ。
不特定多数となると、君の言うようにリスクも大きくなるからね。
そう…。
撮り続けるだろうね…、障害が無くなることもないだろう。
私が満たされる事も無いだろうからね。
大丈夫じゃない…さ。
好きにさせてくれる女の子がいるなら、話は別だけどね。
そんな子が、父親のような男に盗撮されても受け入れてしまうような子がもし居たとしたら、宝物でも手に入ったような感覚だろうね。
大事にしたいところさ。
こんな話をすればきっと君と同じ電車に乗り合わせることはもう無いだろうからね。』
意味深。
当然、盗撮されているとはっきり確認できてもなお同じところに現れるとは考えにくい。
もう会わないと思っているからこそ、本音を漏らすことが出来るということでもあった。
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