不思議とやり取りは続いた。
少女自身もどうやら、羞恥や嫌悪と言った感覚以外のものも感じていたらしいことは文面から読み取れた。
『あ、いや。
モテない、と思った訳では無いんだよ。
可愛いと言うより、綺麗というか。
どっちかと言うと、男にあんまり興味無さそう…泣きがしてね。
逆に興味を持ったって感じかな。
でも、想像は当たってたみたいだね。
自分のスカートの中に興味を持たれるなんて思うタイプじゃなかった。』
危険、では無いと感じれば男も徐々に饒舌になっていくようだ。
やはり惹かれた、興味を持っただけの事はある。
普段から相入れることの無い、娘のような年頃の女の子とのやりとり。
その非現実的な要素に、新鮮さ、刺激、興奮を感じていた。
「電車内で感じた感覚は間違ってなかったんだ…。
良い子に育ててくれたね…。」
文章を作りながら誰宛とも言えない言葉を男は呟いていた。
怖くなくなって言った…。
その言葉もそれはそれで不思議な物だ。
怖いのは普通の事だとして。
怖さが薄れたら問題なくなるか?
気持ち悪い、嫌だ、という感覚は無かったということだろうか。
怖くなければそれでいいのか?
覗かれていることに対する嫌悪感は、そもそも無かったということなのか…?
返ってくる文面が、より少女への興味を駆り立てていく。
そして極めつけに、感想を求められ、男は自然と笑みが零れた。
「盗撮魔に感想…を聞くんだ…へぇ。
変わった子…、いや、やっぱりとても「良い子」に育ってるんだね…。
お父さん…。」
誰宛とも言えない呟きの矛先は、少女の父親に向いていた。
自分と変わらない年の男。
そんな男に娘がスカートの中を盗撮されて、感想を聞いている。
「そんな、娘を君は…想像できるかい…?」
もっと若ければそんなことも考えなかっただろう。
しかし、父親と同年代と知れば、自ずとそんな優越を感じたくなっていたのかもしれない。
『自分勝手なことを言うようだけど、きっと君も正直に話してくれてると思うから、私も正直に答えよう。
満足、にはまだ遠いんだ。
なぜか?
言っただろう?
そんな重ね履きもあるんだなって。
どう考えてもそれはぱんつだ、って思い切れるくらい、鮮明に写っているわけじゃないんだ。
揺れる電車内、揺れるスカート。
カバンの中からぱんつまでの距離。
障害も多くてね。
君こそ、どうして感想なんて聞くんだい?』
自分は正直に答えた。
次は君の番だ。
姑息にも、外堀を埋めてからの問い返し。
気づけば不安は拭い去られ、興味と興奮で胸が高鳴っていた。
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