(…。)
何という理由もなく、ふと窓の外に目を向けた。
誰かが、必死に何かを言っているようなそんな感覚。
(父親がこんな状況を見ていたら…。
そりゃ必死に止めるだろうね…。
殴ってでも…。警察沙汰になろうとも構わず…ぐらいにさ…。)
ポケットの中には4つ折りにした紙切れが入っている。
何かを期待したわけではない。
しかし、今は少し期待している。
(ふふっ…なんだったら、あんた宛にブログでも書いてやろうか…?
日付に時間…、車両…。
そんな情報を丸っと記載して…、今日の服装…そして下着…。
書き留めて…まるで日記のように。
それなら、もし、万が一にでもそう言う趣味で検索していたらたどり着くかもしれないだろ…?
あんたが…父親が、娘の下着を知る手助けをしてやろうじゃないか…。
なんてね…。)
風景がゆっくりになっていく。
減速しているのだ。
男はしつこく撮り続けることはしなかった。
そう、駅の数にして3つ。
その間だけ撮り、少女が先に降りるわけではなく、男が先に降りるのだ。
カサッ…。
すっとポケットから引き抜いた紙切れを凛のポケットに押し込むと、そそくさとその場を後にする。
『よかったら連絡して。
LINEIDは…。』
記載されているのはLINEのID。
そして、
『いつかは全部みたいね…。』
と一言。
それは全ての下着、を指しているのか、下着だけでなくすべて、という意味なのかは定かではない。
【とはいえ、さらけ出したくなる展開にしなければそんな気にもなりませんよね。
いずれもこちらが如何に興奮するものを描けるかにかかっている、と言う事でしょうか。】
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