よしふみは、自室の暗い部屋でカーテンの隙間から彼女の帰宅を確認していた。手元の机には、先ほど彼女のポストに投函した封筒と同じ便箋が置かれている。
(行くかな……いや、きっと行くだろう。)
独り言のように呟きながら、冷えたコーヒーを一口飲んだ。その表情には満足げな笑みが浮かんでいる。計画通り進んでいるという自信が、自分をさらに高揚させていた。
(どんな顔をするんだろうな……。)
彼女がショーツを見つけ、写真を目にするその瞬間を思い描くだけで、自分の中に奇妙な興奮が湧き上がる。恥じらい、驚き、戸惑い――そんな感情が混ざり合う彼女の表情を想像しながら、手の中でペンを回した。
彼女が公園へと向かったことを確信していた。好奇心と恐怖の狭間で、彼女が写真をどう受け止めるかを考えると、胸が高鳴る。
(欲求不満な人妻にはこの写真どう思うかな、、笑)
彼女が紙袋を持って帰宅するのを見届けたると、静かに立ち上がった。窓から漏れる光が閉じられたカーテンの隙間から消え、彼女がすぐに部屋を暗くしたことがわかる。
(やっぱり、驚いてるんだな笑)
それを楽しんでいた。彼女がカーテンを閉め、混乱し、恐怖を覚えているだろうことを想像する。それは彼にとって、彼女と自分が「つながっている」という証明のように感じられた。
(でも、これだけじゃ足りない。)
机の上に置いてある写真の束を手に取る。それは、紙袋に入れて彼女に渡した写真のほかにも、複数のアングルで撮影されたショーツと自分の姿を収めたものだった。
(次は何をしようか..それはあいつの反応を見てから考えよう)
佐藤は静かに写真を机の引き出しにしまい、部屋の照明を落とした。彼の中で膨らむ歪んだ感情は、もはや抑えがたいほどに成長していた。
「明日が楽しみだ。」
彼はそう呟きながら、不気味な笑みを浮かべた。
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