「なるほど…。そう言う事ですか…。」
念願の言葉が引き出せたことへの達成感にも似た感覚。
男が青年と妻を使って楽しむように、青年もまた目の前の人妻で楽しむことを覚え始めたのかもしれない。
決してバレたくはない事実、夫に内緒ではしたない姿を晒し、それを知らない男に提供している状況。
そんな弱み…脅しのネタ以外の何物でもない状態を自らの口で話してしまうところは、
既に興奮に弄ばれ…、羞恥心の虜…あるいは、誰かの指示が自らを突き動かす、自分で判断する能力が少しずつ欠如していっているようにも感じる。
「綺麗ですね…お姉さん…。
そんなにきれいな人が、見られたいなんて…恥ずかしい姿を見られたいなんて…。
それをご主人は知らないんですね…。
一緒に着ているのに…、隣でこんなエッチな姿を晒しているなんて…。知らないんですね…。
分かりますか…?
一歩間違えれば、ご主人のすぐ近くで不倫しているようなものですよ…。
知らない男に恥ずかしい部分を晒して…こんなにえっちな汁でぱんつを濡らして…。
厭らしい人だ…。」
少しずつ詰め寄っていく男。
手に持ったスマホ、カメラレンズを美優の方に向けて。
「見られたい願望が叶った今…お姉さんはどんな気持ちなんですか…。
もっと恥ずかしい恰好…もっと恥ずかしい指示って…どんなのでしょうね…。
ねぇ…もっと指示が欲しいんですよね…?
可愛いお姉さん…。」
スマホを向けるのは美優の身体…ではなかった。
その潤んだ瞳、媚びるような表情、視線に向けて男はカメラを向ける。
そしてすっと伸びていく反対の手その指先もまた、美優の身体にではなく数多の恥ずかしい言葉を零したその唇。
ゆっくりと撫でるように愛撫するその指先
ただただ人妻の身体を狙った一時の欲望の捌け口を探す行動ではなく、より美優の心を揺らし溶かしていくような動き。
「ご主人には内緒で…、楽しみたいんですよね…?お姉さん…いや、奥さん…。」
男は意地悪く、イヤホンマイクに少し口を寄せはっきりと問いかける。
その言葉を男に聞かせるように、ゆっくりと鮮明に。
「内緒が良いって…言ってください…。
隠して…えっちなことを、恥ずかしいことしたいって…。
口を開けて…舌を出して…、僕の指を舐めながら…こっちを見て…言ってください…。
ちゃんと言ってくれたら…僕も、奥さんとの約束…守りますよ…?」
お姉さん…から奥さんへと呼称が変わる。
青年の厭らしい部分だろうか。
あくまで美優に自分が人妻であることを忘れさせないために、隣に夫がいることを忘れさせないためにそう告げているような。
下唇…上唇、順々になぞり、撫でる指先。
その唇を開いてしまうことは、見知らぬ男に足を開くのと同義。
委ね…従ってしまう、隷属…服従のような…。
経験の少ない美優にさえ、その感覚を思わせるような淫靡な空間。
静まり返ったカフェの一部屋。
我関せずの周囲は、この状況を想像もしないだろう。
必要のない限りやってくることがない店員も。
大凡ヘッドホンで雑音をシャットアウトする他の客も。
誰一人、この状況に気づくわけもない。
【同じ…ですか…?
貴女を想い、貴女で果てることを…許してもらえますか…?
少なくとも、今の私に必要な…相手なので。】
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