「私のパンティ…イヤらしく濡らしちゃった…私のパンティ…。
見たいでしょ…?いいよ…見たいなら…覗いても…。
今…覗いたら…イヤらしい私の姿…見えちゃうよ…。」
下着の上から股間を擦りながら呟く言葉。
始めこそ控えめに『呟く』であったそれは、もはや呟きではなく、確実に隣のブースに届けと言わんばかりの声量になっていた。
『想像しただけでこんなに…もしホントに見られちゃったら…どんな感じ…なんだろう…。
覗いた男の人は…どんなふうに…。』
あの人のコメントにあった『その先…』という言葉に興味が湧き始めていた。
聞かれたい…覗かれたい…触られたい…。
『もっとその先…。』
その先にはいったい何が待っているのか。
個室とは言え店舗内で隣には夫がいる安全な空間。
そこでその先に…何があるのか…。
扉に近寄るとほんの少し…。
通路がこちらから少し見えるくらい扉を開く。
通路が見えるということは、通路からこのブース内が見えるということ…。
誰かが通りかかれば…この扉の隙間に気づけば…私の言葉が耳に届けば…。
そこに誰かが立ち止まり…覗く意思を持った視線が飛び込んでくるはず…。
そんなスリルを自ら創り出してしまうと…。
《今…ブースの扉を少しだけ開きました…。
こちらから少しだけ通路が見える…。
そこで…濡らしちゃったパンティを…指でなぞりながら…。
覗いて…って…言ってみます…。》
再び隣のブースに向かって頬を擦りつけ、露出された胸元までも壁に擦りつけるように…
下着の上から股間を擦りながら…わずかに腰を後ろに突き出しながら…
「いいよ…?覗いても…。イヤらしい私の姿…見ていいよ…。
ブラも…谷間も…パンティも…それに…今は…。
今は…濡らしちゃったパンティを…指で弄ってるの…。
見て…私のイヤらしい姿…覗いて欲しいの…覗いて…覗いて…。」
頭の中には少し開いた扉の向こう側。
立ち止まり隙間の中の世界を覗き見る熱い視線。
私と同じように呼吸を乱す程に興奮した男の人の舐めるような視線を思い浮かべながら…。
「覗いて…イヤらしい私の姿を…覗いて…。
あぁ…恥ずかしいのに…見て欲しいの…イヤらしい格好の私を…見て欲しいの…。
あぁ…ダメ…ホントに見られちゃったら…触られちゃう…かも…あぁ…イヤ…私には…夫が…夫がいるの…。触ったり…しちゃ…あぁ…触られちゃう…イヤらしい格好の私…知らない男の人に…触られて…恥ずかしいこと…されちゃう…。」
ひとつ行動を起こしただけ。
わずかに扉を開き視線を誘い込む道を作っただけ。
それだけなのに頭の中に拡がる妄想は、その先の一歩を踏み出すかのように過激な方向へとシフトしてしまう。
そんな妄想を繰り広げている私の耳に扉がゆっくりと開く音。
そして緊張するかのような震える細い声が私の耳に届く。
細い声とは言っても咄嗟に男の人の声だと気づく…。
身体が固まる…。股間を擦る指先の動きも止まる…。
淫らに発していた言葉も…声帯が凍りついたかのように黙り込んだ…。
『うそっ…誰…!?』
たった今まで妄想を繰り返していた思考が急速にその働きを止める。
まさに蒼白…頭の中は真っ白に何も考えられない私は身体に指令を送る回路まで遮断されたかのように固まる。
【おはようございます。
昨夜はつい…睡魔に負けてしまい…。】
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