「今…覗いたら…私のパンティ…見えちゃいますよ…。
私の…イヤらしい姿…見えちゃいます…。」
壁に両手をついて頬を擦りつけるように呟く私。
その声色は最初に発したものと明らかに変化していた。
指示されて初めて声を発したそれは、不安に慄きながら指示されて仕方なく…。
そんな控えめな声だった。
それが今は…。
聞こえても構わない…。もしかしたら薄い壁の向こう側…私の頬に壁一枚を挟んで耳を擦りつけるように様子を窺っているかもしれない誰かに…その耳に届いて欲しいと感じているのかもしれない…。
『想像しただけで…こんなになっちゃうなんて…。』
その心の呟きの裏側には、もし見られたら…どんな感情に包まれるのだろう…。そんな興味のようなものが私の理性の叫びを黙らせるのに十分過ぎるほどの魅力があった。
自分でも信じられない程に移りゆく感情。
まさか…まさか私がこんな感情に包まれる事になろうとは夢にも思っていなかった。
何故…?どうして…?
そんな想いが心の中で何度も自分に問いかけるものの、その答えは私を納得させるものなどではなく、自分でも気づかなかったもう一人の自分自身を思い知らされるだけ…。
『うそ…そんなのうそよ…。
でも…でもこの感覚…。』
心の中で葛藤を続けながらも、ブースの中では指示に従うように隣のブースに向かって声を発し続けていた。
『私なんて…誰も見向きもしないと…思ってた…。』
自信の無さの表れなのか、夫一筋に尽くして来たからなのか…。
恋愛経験も乏しく、夫以外を知らない私にとって、一番の理解者である夫にすがる事しか考えて来なかったからなのか…。
『ここのサイト…こんなにたくさんの男の人が…。』
これほどまでに多くの男性から一斉に声をかけられる事などなかった私。
もちろんこれからもそんな事は無いと信じて疑わなかった私にとって、初めて女としての自信というものを感じられたのかもしれない。
『みんなが…私の姿を見たいと…思ってるのかな…?
私を見てくれる人なんて…居るのかな…?』
サイトで褒め言葉を賜ったとしても、それはただの社交辞令で、サイトに集まる男の人達の欲望を満たすための手段に過ぎないのかもしれない。
自分自身に…本当に魅力などと言うのもが備わっているのか…。
半信半疑の心の隙間に入り込んできたあの人の言葉。
なぜか素直にあの人の言葉だけは自然と心の中に染み込んでいた。
『あの人が言うなら…。
事故だって…言い訳するのか…。
見られたい…見せたいと認めてしまうのか…。
そうだよね…それは私が決めること…。』
夫との生活に不満があったわけでもない。
しかし私が知らない世界は数多く存在し、何かを選択する時には必ず夫に決めてもらっていた。
それが今は…自分自身での決断を迫られている。
「あなた…私が決めて…いいの…?私が決めるなんて…初めてだよね…?」
夫の心に届けと言わんばかりに心を込めた呟き。
恐らく薄いながらも隔てる壁に阻まれて、私の言葉は伝わらないだろう…。
しかし…夫に対して一応のケジメがついたように感じた私は…。
「いつの間にか…あの人の名前…佐藤さんになってたんだね…。
あなた…私は…佐藤さんの言葉に従います…。
佐藤さんに言われたように…行動します…。」
再び夫に対して声を発する。
決意を表すかのような言葉は夫への報告でもあり、自分自身への戒めでもあったのかもしれない。
コメントを確認すると、今度は集まる人達を待たせないようにと、先にコメントを打ち始める
《隣のブースの人に…聞こえちゃうかもしれない…。
佐藤さんに…言われた通り…。
口を開いて舌を突き出して…。
イヤらしく濡らしてしまったパンティの中心…指先でなぞってみます…。
もし…音が出ちゃったら…。もし…エッチな声を漏らしちゃったら…。
きっと…隣のブースの人に…聞かれちゃうと思います…。》
コメントを打ち終えると、隣のブースとの間の壁に背中を預けるように凭れかかり、肩幅に開いた脚の間に指先を忍び込ませる。
太ももをゆっくりと這いながら…指先は湿った下着に辿り着いた…。
『あぁ…さっきよりも…もっと濡れてる気がする…。
ここを…指先でなぞるなんて…。
きっと…いいえ…絶対に声なんて我慢できなくなっちゃう…。』
少し腰を下ろして脚を拡げると、濡らした下着の中心に指先を這わせて、汚してしまった根源を刺激するように…。
「んっ…はぁ…凄い…こんなに濡れちゃってる…。
私の…私のエッチなパンティ…もう…ビショビショ…。」
鼻から漏れる吐息とともに、隣のブースの人を挑発するかのように言葉を並べて口から吐き出した。
股間を擦る指先は、次第に強弱をつけて私自身の羞恥心を煽るかのように…。
『こんな姿を…誰かに見られちゃったら…。覗き見た人は…どう思うんだろう…。
その反応…凄く気になる…。
見られたい…私…きっと見られたいんだよね…?見せてもいいって…思ってるんだよね…?』
否定の感情は既に消え失せようとしていた。
更なる冒険を望む心が…少しずつ目覚め始めていた…。
【こんばんは…。少し時間が取れたので続きを描いてみました。
ほどほどの期待ですか?
私もそんなに完璧な文章なんかじゃありませんし…。
では…そうしますね?(笑)】
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