『どうしよう…ホントに聞こえちゃったかも…。』
想像以上に響いてしまった声に狼狽え、身体が小刻みに震える。
座ることも壁から離れることもできずに立ち竦んだままの私。
怯えているために震えている…。
そう自覚しているはずなのに、何故か身体が熱い。
心も高揚しているように感じる。
理性に反して火照る身体に違和感を覚える。
『なんで…なんで私…。こんなこと…こんな感じ…。なんか変…。』
その頃、サイトが荒れ始めていることにも気づくことはなく、昂り始めた心と火照る身体に戸惑うばかり。
『ホントに聞こえちゃって…覗かれちゃったら…。』
頭の中には今まで経験したこともないような妄想が拡がる。
『こんなに…イヤらしい格好…覗かれちゃうなんて…イヤ…覗かないで…。』
扉の隙間から注がれる視線を思い浮かべると、更に心は高揚し身体は火照りを増していく。
『あぁ…ウソよ…。そんなはずない…。私は…私はそんな女じゃ…。』
頭で否定しても身体は確実に火照りを増し、顔は赤く染まっていく。
既に潤んだように蕩けた視線をパソコン画面に向けると、続々と増え続けるコメントに気づく。
何やら言い争いが巻き起こっている事に動揺する。
こういったサイトではよくあることだと認識することもできない無知な私にとって、私の行動が原因なのではないかと思い込んでしまう。
柔らかく優しく言葉をかけてくれるあの人が、他の人達から責められているように感じ、申し訳なさすら感じてしまう。
『私が…もっと上手くできたら…あの人はみんなから怒られたりしなくなるのかな…。』
そんな想いが次第に強くなるのは、元々の真面目な性格だからなのか…それともこの異様な世界に溺れ始めてしまっているからなのか…。
夫の為に…夫の願望を叶える為に…本来の目的が少しずつ揺らぎ始めていることにも気づいてはいない。
そんな心持ちで増え続けるコメントを眺めていると、あの人からの新しい指示が上がると、自分の言動でこの人を周りの罵倒から助けないと…そんな想いに満たされていく。
その気持ちと同じくらい『ご褒美』と言う言葉に心が動かされた。
褒められたことに確かに心が動いた。
確かに…嬉しいと感じる心が芽生えていた。
壁に凭れてジッパーを下から5センチ…。
ジリジリと音を響かせながらジッパーを引き上げる。
『あぁ…こんなに…。パンティが見えちゃってる…。』
指示された行動はこれで完結したはず…。次に支持されるまでは何をすることもない…。
それなのに…。
再び個室の中にジリジリと音が響く。
上とも下とも指示の無いコメントに、上下ともジッパーを開く事を選んだ私は、胸元のジッパーをも5センチ…下に下げてしまった。
『もっ…もう…ブラの下まで…。こんなに開いちゃったら…。』
上下のジッパーが落ち合うまであと何センチあるのだろう…。
上下から開かれていくワンピースは、下着を隠す事は出来なくなっている。
《ちゃんと…言いました…。
今…このブースを覗いたら…私のパンティ…見えちゃいますよ…。って…。
ご褒美だなんて…それは私…褒めてもらえてるんですよね…?
隣のブース…そこと隔てる壁に凭れて…ジッパーを5センチ…上げてみました…。
もう…完全にパンティ見えちゃってます…。
それに…。
どちらとも指示がなかったので…上も…。
胸元のジッパーも5センチ…下げてみました…。
もう…ブラの下まで…下がっちゃいました…。》
コメントをあげると、再び立ち上がり隣のブースとの間の壁に背中を預け立ち竦む。
呪文を唱えるように…。
「今覗かれたら…私のパンティ…見えちゃいますよ…。」
ブツブツと繰り返しそんな言葉を口にしながら…。
【こんにちは。お昼ですが少し描き足してみました。
あとは夜に来られるかどうか…まだわかりません…。】
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