「あ、いえ…すいません。
こんなに若い方だと思っていなかったので、少し驚いてしまって…。
声をかけていただいたのに、まともに返答できずすいませんでした。」
少なく見積もっても一回りは違うだろう千紘に対しても、腰の低い物言い。
男としての自信のなさが原因か、あるいは妻の不倫に対するダメージがそうさせるのか。
しかし、そう言うケースにも慣れているのか…、あるいはマニュアルか。
真意のわかりかねる言葉に対しても、こちらの心をケアするように言葉を選んで返してくるのはやはりそういう患者が多いから、なのか。
「は…はい…。」
治療を行う部屋…、つまり、フェラをされる部屋…と言う事だ。
分かっている、妻を自分の下へ取り戻すためなんだ…。
そしてもう一度愛のある家庭を…。
そう考えているはずなのに、目の前を歩く少女の後ろ姿に、少しの疼きを感じてしまうのは何なのだろうか…。
きっと彼氏もいるのだろう…、いや、結婚している可能性もゼロじゃない。
相手は彼女の仕事を理解しているのだろうか…。
こんな、見ず知らずの男…それもさえない普通の中年を相手にしていることなど…。
そんなことを考えながら千紘に続くように歩き、通された部屋。
「ここが…。」
殺風景…シンプル…、言いようは様々あるが、はっきりしているのはソファがあると言う事だけ。
それだけ。
本当に、それだけ、の為の部屋なのかもしれない。
女性で言うなら、分娩台とでも言い換えられるのだろうか、生む為に座る椅子…。
そんな意味合いの射精する為のソファ…が、そこに設置されているのが目に入る。
ある程度のシステムは理解しているつもりだった。
しかし、いざとなって見れば少し身体が強張りを感じていた。
促されるままにゆっくり腰を下ろす。
柔らかすぎない座面。
楽な体勢、負担を限りなく少なくするために作られたのだろうと言う事は、想像に難しくない。
「…。」
緊張…それと同時にこれからのことを考えれば、興奮がないとは言えない。
医療行為…、治療なのだ…、わかっている。
しかし、終始それを頭に於いていられるのだろうか…。
目の前に立つ少女の凛とした姿に見惚れてしまっていた自分に、力強く肯定することは難しくなっていた。
【ありがとうございます。
治療…というベースがあるので、必要以上にがつがつこちらから動いたりはせず、あくまで「お医者さんと患者」というところを念頭に置いて描いていくつもりではいます。
ですので、描写が千紘さん任せ、のような感じになっていくところもあると思います。
精神的な部分が大切だとのことでしたので、心理描写は大目に描いていこうかと思っています。
意に沿わない流れや描写が続くようでしたらご指摘いただければと思います。】
※元投稿はこちら >>