鈴木先生が教えてくれた淑女教育の初めての授業はキス。一度もしたことのないその行為に梨乃は一瞬恥ずかしがるも、ソファに座らされゆっくりと瞳を瞬かせる。後頭部に離さないとばかりに当てられた手にゾクリと肌の高揚を感じながら、グッと近づいてきた先生の瞳に合わせ、目を閉じる。
合わさる唇の熱に梨乃は恥ずかしくなる。
(どうしよう…本当に、梨乃、鈴木先生とキスしちゃってる…?!)
年相応の恥ずかしさを感じながらも、うっすら開いた唇の間を舌でこじ開けられてしまう。
「…っ、ん…っぁ、はぁはぁ、んぅ!(ど、どうしよう、舌が口内を撫で回され、変な声が出てる…こんな変な声、怒られちゃう…!)」
口内を撫でる先生の舌にゆっくりと快楽を引き起こすように凌辱され、梨乃は甘い声が少しずつ漏れてしまう。
こんな声は淑女にはわさしかない。座学で男を誘う女は淑女ではなく娼婦だと教え込まれた梨乃は恥ずかしさに慌ててしまうが、そんな梨乃の焦りを無視するように、先生は体を抱き寄せてくる。柔らかくも弾力とボリュームを感じさせる梨乃の年不相応の胸が、先生の胸板の間に挟まれてイヤらしく形を変えてしまう。
そして、永遠と思うような熱は離れた先生の言葉を合図にあっという間に終わりを告げた。
「……っ、はぁ、はぁ…ぁ、ご指導ありがとう、っござぃした。明日からも頑張ります、っ」
明らかに高揚した頬と潤んだ瞳。今まで体型の色っぽさにいやらしさを感じていたはずが、梨乃の表情一つ一つが幼さと大人の境界をいったきりするように男の欲望を誘う。艶めいた唇と、エロい体型にいきり立つ己を隠すように自室に戻った先生を見つめながら、梨乃も自室に戻る。
部屋に戻って明日の授業の準備を終わらせつつ、ベッドに入って目を閉じると思い出すのは先ほどのこと。
(……ほ、本当に梨乃鈴木先生とキスしちゃった。しかもあれが大人のキスって言われるやつだよね?将来の旦那様を喜ばせるためにいっぱい覚えなきゃいけないって。でも…いやらし声は娼婦と変わらない淫乱な女だからダメって言われてたのに……梨乃、変な声出しちゃった。だ、大丈夫かな?淑女教育は毎日あるって言ってたし。ちゃんと鈴木先生の言うことを聞かなきゃ…!)
妙に火照る身体と興奮に梨乃は戸惑いながらも初めての淑女教育の日を終えた。
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