圭介くんの質問に一言ながらも答える。
敵の策略によって少しずつ蝕まれてゆくヒロインみたい・・・。
そんな状況に貶められている。
戦闘員圭介
『そっか・・・ま、まあ僕は監視役だから恥ずかしくても聞かれた事には素直に答えるんだぞ』
股間を押さえ俯いたままの彼女、顔を紅潮させ恥ずかしそうに佇む姿にすっかり毒気を
抜かれた様に優しく語り掛けてこられたが、これ以上 虐めないで欲しいと思った。
少しのクールダウンタイムと思ったのか、2人でバイト先へと向っていった。
―戦隊ショー午前の部―
スタッフ
「い、いやー、景子ちゃんだっけ?彼女凄いよ。昨日と全然演技が違うじゃん」
客入りの少ない午前の部、圭介くんが無理を言って入れてもらったスタッフの人と雑談している。
何を話しているか判らないけど、多少スタッフの顔が引きつっているのは圭介くんの外見に関してなのか?。
スタッフ
「昨日のオーディションで観た時は今一盛り上がりに欠けるかなと思ってたんだけどさ、子供たちが
必死に応援してる姿 見ても凄く上手くなってると思うよ」
スタッフから私への誉め言葉に圭介くんはニコニコしながら聞いていた。
ステージ上では私が戦隊ピンクとして出演し、敵の怪人役から攻撃を受けていた。
怪人役の攻撃が身体にヒットする度にローターのスイッチが押されているのか
強い刺激で私はかがみ込んだり身体をビクッと震わせたり、相手の攻撃が効いている様に立ち回っている。
スタッフ
(それにしても、演技が上手くなったっていうか・・・身悶えてないか?高校生のはずだけどなんか艶めかしい・・・
こりゃ明日から彼女目当てで大人の客入りが増えるかもしれないな・・・)
「と、取りあえず、明日からもお願いって事でヨロシク!」
それだけ言うとスタッフの人は足早にその場を後にする、彼が私の演技をいやらしい目で見ていたとは私は気付いていない。
―休憩時間―
ショーの要所要所で仕込まれたローターに責められていた私は肉体的にも精神的にも疲弊してしまい
スタッフルームに入るなり崩れ落ちる様にへたり込んでしまった。
乱れた呼吸も整わず、暫く経っても立ち上がる事も出来ない。
圭介くん
「おつかれさま、スタッフからの評判は上々だよ。明日からもお願いだってさ」
まるでマネージャーに様に、飲み物を手渡しながら先程のスタッフとの会話を私に伝える。
ローターによる“演技指導”は耐え難かったが明日からのヒロイン役抜擢は嬉しかった。
素直に喜んでいる。
しかし、ここから圭介くんは監視役の戦闘員へと戻る・・・
戦闘員圭介
『だがレンジャー・ピンク、スタッフさん 、君の事をいやらしい目で見ていたよ・・・それに明日からは
我々組織の洗脳を受けた父兄も見に来るからね』
洗脳された父兄などと嘯かれ羞恥心を煽られる。
戦闘員圭介
『今日のような“素晴らしい演技”で組織のみんなを楽しませてくれよ』
今日の戦隊ショーは間違いなく(一部の大人達に)評判となるだろう、明日は“大きなお友達”も沢山来場するはずだ
不敵な笑みを浮かべると、圭介くんはポケットの中からリモコンを取り出す。
私の目の前にぶら下げたリモコンが、今日の様にローターを仕込んで来いと暗に示唆しているのだった。
組織の洗脳された父兄・・・それに大きなお友達という言葉は
こう言ったショーの出演者なら少しは知っている。
今迄、そう言った目で見られた事のない私は少しの恐怖と好奇心が渦巻いていた。
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