様子を伺う様に、圭介くんはチラチラと見ている。
私の出方を気にしているみたい・・・。
私の表情が優し気な雰囲気に感じられ少し安堵したのか圭介くんは
そのまま続ける。
ヘルブロガー
『まあ、そんな訳だ・・・今日はこの位にしておいてやろう』
未だ落ち着かない圭介くんは“やられ役“におきまりの台詞を言って
そそくさと稽古場を後にして行く。
景子
(こんな事絶対に許せない・・・だけどちょっと安心した。
でも、これからも同じ状況になったら拒絶出来るかな?
妊娠するは嫌だし・・・え?同じ状況??)
私・・・無意識に虐められたがっている?
でも・・・勘違いでは無い。
私は被虐性を秘めていると何となく気付いてしまう・・・。
あくまでも、私が自分では無い誰かを演じている時・・・。
子供の頃の記憶や憧れから、正義のヒロインにそれを求めている。
物語上、絶対に穢される事の無いヒロイン・・・。
それは一人だけ男の子に交じって遊んでいた状況に似ていた。
私に酷い事をする人など誰も居なかった、だがそれは私の中で嗜虐性を育てた。
きっと、私を縛って恥ずかしい格好をさせた圭介くんだってもしかしたら
私と同じじゃないのかなぁ・・・。
そんな事を考えながら帰り仕度をしていると稽古場にアダルトグッズやカメラを
見つける・・・これって圭介くんが忘れていったモノ?。
私は恐る恐るアダルトグッズとカメラを見ている・・・。
景子
(これって私に使おうとしていたモノだよね・・・それに・・このカメラ
私を撮っていたよね・・・)
きっと自宅で観ようと思っていただろう・・・。
無我夢中で逃げ出したので忘れてしまったのね。
私はその訳のわからないグッズとカメラに好奇心が抑えられない。
もし、圭介くん取りに戻って、鉢合わせになるかも知れない。
私は思わぬ行動に出てしまう・・・。
アダルトグッズとカメラを持ち帰ってしまったのだ。
長い夏休み、明日もバイトで圭介くんに会う・・・。
ずっと私を監視している?・・・。
ヘルブロガーの最後のセリフがこだまする。
自宅に帰って、まずはカメラの映像を見てみる。
最初の私が気を失って、記憶の無い映像から始まりずっと
圭介くん目線での映像が映し出される。
今この瞬間も、ヘルブロガーに監視されてる気がした。
景子
「な、なに・・・こんなのって・・・あんな事されて・・・」
私は知らず知らずのうちに手が股間に向かってしまう・・・。
そして、アダルトグッズの存在はまるで、ヘルブロガーが
挑発している様に感じ出してしまう・・・。
圭介くんの予想以上に、私は暗示に掛かっていた。
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