― 次の日 ―
重い足を引きずる様に部室に向かう・・・。
部長である以上、私が欠席する事なんて出来はしなかった。
だけど、私を辱めた犯人はきっと何食わぬ顔でやって来る・・・。
正義のヒロインが恥辱を受けた怪人に何も抵抗なんて出来ない。
そんな事を地でやっている。
予想通り、圭介くんは素知らぬ顔で同好会へと顔を出す。
今日は入部の挨拶と言う事で、2人の幽霊部員も姿を現した。
景子
「彼が新入部員の古山田くん・・・よろしくね・・・」
私から2人へ軽く彼を紹介をした。
だけど、目を合わせるどころか姿さえ見れない・・・。
あんな写真送っておいて・・・白々しい。
でも、贖えずに圭介くんの色に染められた事が恥ずかしくて顔さえ見れない。
お互い相手の出方を見ている・・・淡々と時間は過ぎていった。
景子
「じゃあ、これからの部活についてですが・・・
やっと、何とか活動出来る人数になりました。
古山田くん配役は悪役・・・戦隊ヒーローは人数不足だが3人でなんとか
やっていきましょう」
圭介くんは他の部員を見回す・・・。
1人は私なんかより、本当に高校生か?と思ってしまう程いやらしい身体を
してる女子・・・。
ヒョロガリだけど、唯一のモブ男子がヒーロー役・・・。
頼り無いけど、贅肉まみれのヒーローなんて見てくれも悪いし当然の配役。
それから今後の活動内容を部長である私から告げる。
景子
「まずは、各運動部を回って身体を鍛えてきて・・・
入部の条件でしょ・・・」
昨日の事を根に持っているのは明らか・・・。
やる前からオーバーワークだと分かる内容だった。
根を上げて退部しても仕方ないとと思っていた。
その上、たった1人で3人を相手しないといけない怪人・・・。
誰よりも体力が無いといけないのは間違い無かった。
予想に反して、私から出されたメニューをなんとか乗り切った
圭介くんの身体は、贅肉も落ち相撲取りの様な巨体の筋肉質へと変貌を遂げる
3人相手の組手もこなせる様になり、私と2人での組手も動きにも難なく着いて行ける。
いや、場合によっては私を圧倒する事も出来るようになっていた。
気を抜けば、力尽くで組み伏せられることも出来るかも・・・。
2人で組手をしながらひしひしと感じる。
相変わらず嫌悪感は残っているものの時間が経つにつれて私の怒りも収まっり2カ月程
すると普通に話せるくらいには関係は戻っていった。
逆に、ストイックに私の設定したハードルを超えて来る圭介くんに好感すら覚えている。
きっと、好感と言うより本当に力尽くで組み伏せられたら、どんな感じなのかな・・・。
そんな事まで感じていた。
そんな充実した1学期があっという間に過ぎ去る・・・。
目前に控えた夏休み、入部前に考えていたバイトの話を圭介くんから告げられる。
景子
「う、うん・・・じゃあ、一緒にやろうよ・・・」
自分の処女を奪った男に・・・いや、怪人に魅入られたのか・・・。
私は自分から窮地に飛び込んでいく。
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