景子「うっく・・・卑怯モノ・・・入部はさせてあげる・・・」
卑怯な手を使った僕は悪の手先にでも見えているはずだ…暗示に掛かっている様に景子もヒロインとして接してくる
景子「但し、他の人に私の弱点は秘密にしてくれれば、あなたに捕えられ穢されても私は負けない・・・」
(えっ?それってつまり…)
昨日の事が衝撃的過ぎて貞操観念が狂ってしまったのか、あるいは元々マゾ気質を秘めていたのか…僕には彼女の言葉が暗に“縛って襲われても良い”と言っている様に思えた
これは嬉しい誤算だ、僕はニヤリとほくそ笑んでいたのだが…
景子「それと、あなたも私と同じ位に動ける様に身体を鍛えて!」
その言葉に思わずげんなりとしてしまう。運動自体が得意ではない僕は鍛えろと言われると、どうしても気後れしてしまうのだ
でも、ここで拒否すれば入部は絶対に出来なくなってしまう…僕はやる気の失せた目で視線を向ける
対照的に彼女はヒロイン然とした顔つきでじっとこちらを見つめていた
僕にはそれが虚勢だとは知る由も無かった
「い、いいだろう…貴様の提案に乗ってやる」
渋々了承したが釈然としない、何だか彼女にやり込められた気分だった
僕が求めているのはヒロインが悪に屈服した世界…きっと彼女の想いは僕とは違い王道のストーリーなのだろう
そんな彼女にアドバンテージを持っていかれるのは、成敗される悪党の様で何だか気分が悪い
何かないかな?と思っていると、彼女が取り上げたボロボロのスーツに目が留まった
そして、またも邪まなアイデアが降りてきた
「しかし、私の実力を疑うとはな…いいだろう、今から貴様に見せつけてくれるわ」
そう言うと景子の持つスーツを指さし
「だが、私にやられた貴様がそのままでは本当の実力など分からぬだろう。ハンデにそのスーツを着るがいい」
強引に話を持っていくと部室の入り口へと向かう
「私は昨日の場所で待っている、また同じ結果になるだろうが怖く無ければ来るがいい」
そう言い残して僕は稽古場へと向かった
※元投稿はこちら >>