圭介
「戦隊ヒロインでは無く“坂本景子”自身が襲われることを望んでいるんじゃないの?」
僕の囁きに対し、景子は否定も肯定もしない
相変わらず虚ろな瞳でボーっと鏡を見つめている、正気じゃ無いのは確かなのに…
無意識なはずなのに思い通りにならない、まるで必死に抗っている本物のヒロインの様に思えてきた
圭介
(やっぱり本能的に嫌なものは嫌なのかな?…まともじゃ無ければ上手くいくと思ったんだけどなあ…)
(いや、否定しないだけ判断力が鈍ってるって事だよな…うん、きっとそうだ!だったら…)
圭介
「景子ちゃん、子供の頃を思い出してみなよ…一緒に戦隊ゴッコで遊んでいたよね?」
「あの時もそうだった、仲間が助けに来ても僕が蹴散らしてさ…みんなの前で縛り上げられて凄く興奮してたじゃない」
「怪人や戦闘員に立ち向かって何度でも犯される…そんなヒロインに憧れていたよね?」
楽しく遊んでいた子供の頃の思い出に嘘を織り交ぜ、少しずつ記憶を改竄してゆく
悪役の僕がコテンパンにやられる事は無く、捕まった景子が助け出されるストーリーも存在しない…偽りの記憶を喋り続けた
縛られて恍惚とした表情を浮かべていた…あの時の事は強調して話を進める
淫らな行為を望んでいるのだと、僕の創った嘘を彼女の意識へと刷り込んでいった
圭介
「大きくなったら悪の手先になって私に酷い事してねって、私も正義のヒロインになるからって言ってたじゃん…よく思い出してよ」
(そろそろ良いかな…判断力の鈍った状態でこんなこと聞かされ続けたんだ)
「本当にされたかった事、僕がしてあげるからさ…ほら、声に出して言ってみて?」
猿轡を外し、後から優しく囁いて彼女の答えを待った
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