(はっきり言って意味わかんないんだけど…。寝取り?寝取られ?みたい言葉があること自体意味不明だし…。でも、優があんなに言うんだもん…、珍しく…。)
寝取られプレイについて承諾してから、ムスッとしてしまうことが多かった。
性知識に全く無知というわけではないが、それでもディープなところの知識は乏しく、そんな界隈があること自体理解できなかった。
正直に言えば、好きでもない男に触られること自体嫌で、ましてやセックスなど…という気持ちだが、あれだけ優がしつこく頼み込んでくるのも珍しかったため、ついに根負けした形になる。
それともう一つの理由としては…、
(優しくて可愛いところもあれば、普通にカッコいいし…。まあ、ここで私が、その有名な寝取り師?とか言うのとセックスしたとしても、優に対する気持ちは全く変わらないって見せたら、もう少し自分に自信がつくかもね…。)
学生時代から感じていた、優の自己肯定感の低さ。
勉強はできる方だし、凛花の空手道場にもたまに来ていたし(全く上達しなかったが)、もう少し自信があってもいいものの…。
「なに?優、緊張してるの?不安?私がその、男に取られちゃうかもって怖くなってるんだ。…ふふっ、そんなわけないでしょ。」
当日、明らかに口数少なく、手を握る優に、優しく微笑みかける。
凛花を奪われたくない、と不安になっている優に母性を感じつつ、包み込むように手を握り返す。
待ち合わせ場所で先に着いていたのは、大柄で筋骨隆々の男だった。
「はい、花崎凛花です。すみません、夫が急に…。」
(ラグビー部みたいな、おっきい身体…。それにしても、いかにも女を見下してそうな、ヤリ慣れている感じ…。)
翔太の対応は丁寧で礼儀正しくはあるものの、どこか女慣れしている軽薄な雰囲気があった。
付き合いの長い優は知っている、凛花が嫌いなタイプの相手だった。
「はい、それで構いません。今回のホテル代は佐藤さんが持ってくださるんですよね?」
(こんなやつに弱みなんか見せちゃダメ。優は呑まれちゃってるけど、平然としてないと…)
オドオドした態度の優よりも一歩前に出て、ジッと加藤の瞳を睨み返す。
普通こういうのは依頼する側がホテル代などを出すものだと思うが、写真などを送るうちに、「貴重な初の体験を担当させて頂くということで〜…」などと、ホテル代は佐藤が持つことになった。
そういうところもどこか胡散臭く、凛花の警戒心はいつも以上に高かった。
【すごく素敵な導入をありがとうございます。
見た目の変化、すごく好きです。いつのまにかピアスを開けていたり、陰毛を剃っていたり、とか。ホテル代とかもいつのまにやら、凛花側が出すようになっていたり…とか。】
※元投稿はこちら >>