ベッドの上に横になり、スマホを操作して動画を送る。
優は恥ずかしいからと言って別々のベッドにしようとしたが、凛花が我を通してダブルベッドにした。
(広いベッド…、寝る時も優と一緒が良くて、無理やりこっちにしたんだった…。あの人とのセックスは本当に気持ち良かった…。苦しくて、気持ちよくて、ドロドロになって…。)
少し気まずかったのもあったが、疲れて眠かったのも本当。
しかし、数刻前のセックスが忘れられず、自然と指が股に伸びてしまう。
最初指で擦り、クリトリスを指で押しつぶす。
少し濡れてきて、指を挿入した。
「…んっ、ぅ、んっ…、くそ…っ、ムカつく…っ」
腹立たしいけれど、オカズにするのは自分が優に送った動画。
こうして自分で聞くとセリフ臭くて演技っぽいが、この動画を見ると、あの時のことを思い出す。
興奮はしてくるが、どうしてもあの時ほど気持ちよくはなれない。
(ダメだ…、イけないどころか、気持ちよくもない…。最悪…、変なの覚えさせられたかも…。)
ある程度は興奮しても、一定以上気持ちよくはならず、イくには到底及ばない。
翔太の強烈な快楽を教え込まれたせいで、身体がそれに適応してしまっている。
拙い指使いのオナニーでは絶頂は見込めなかった。
ズボンを履き直し、ふて寝するように目を瞑った。
「…ん、ふわぁ…ぁっ、おはよ…。ご飯ありがと…。」
重い瞼をこじ開け、欠伸をしながらノソノソとベッドから降りる。
優はきっと、あの動画を見たのだろうか。
(…あれ本心だと思ってたり…。いや、それはないか。自分で見たけど、流石に演技くさいし…。)
「ご飯、美味しい〜っ。いっぱい運動したし、すっごいお腹空いてたから…。」
寝起きだったこともあり、運動をたくさんした、と矛盾したことを言ってることに気がつかない。
とはいえ、普段と変わらないような会話をし、日常を送る。
そして、優とじっと目が合う。
「…ふふっ、いいよ。優から誘ってくれるなんて珍しいね」
優からの夜の誘い。二つ返事で承諾する。
(私が愛してるのは優だけ…。あんな気持ちいいだけのセックスじゃなくて、心も満たされなきゃダメなの…)
優の手を引いて、寝室に行く。
先ほどまで1人で寝ていたベッドに、2人で並んで腰掛ける。
「…優、私も大好き…っ。愛してる…」
ちゅっ。
軽く唇同士が触れ、熱っぽい視線が交わる。
優しく胸に触る手も凛花を気遣っている様子が伝わり、そんなところが好きだったはず。
しかし、今は物足りないとしか感じない。
「う、うん…。はい、どうぞ。」
布団の上に寝そべり、股をM字に開く。
いつも優は挿れるのに苦戦するため、凛花が指で割れ目を開き、竿を掴んで入口に当てさせている。
そうしてお膳立てされたローションをつけた優のペニスはゆっくり挿入し…
「ぁんっ、ぁんっ、ぁっ、ぁんっ」
(…やっぱり、いつもと同じで、全然気持ちよくない。あの人とのセックスは、苦しいほど気持ち良かったのに…)
必死にへこへこ腰を振る優。
前は可愛らしいと思って眺めていたが、物足りなさに不満が募るばかり。
「ぁんっ、イくっ、イくっ」
(…イったふり、してあげないと…。でも、あの人なら嫌というほど本気でイかせてくれる…)
どうしても翔太のことが脳裏にチラつく。
優は頑張って二回戦に励むが、すでに凛花は集中しておらず、悶々とした状態で、嘘の喘ぎ声を出していた。
「は、はあっ!?無理っ、絶対嫌っ!!嫌よそんなのっ!!」
一回目の時の強い拒否は嫌悪感から。
二回目のこの拒否は、もう一度あのセックスを覚えたらどうなってしまうか分からないから。
一回寝ただけでオナニーですら感じなくなってしまったが、次はどうなるのか。
身体や心を変えられる恐怖があった。
しかし、優が泣きそうな顔になって、ギョッとした。
「…えっ。な、なんで泣きそうになるのよ、こんなことで…っ。ねえ、泣かないでよ〜…っ」
どうしても、やっぱり優に弱い。
そもそも優にはぞっこんで、甘やかし体質。一生のお願いなんて強い言葉を使われたら…。
「…もう…。私が佐藤さんと寝たら、自信がつく?そもそも、私は優とのエッチでも満足してるんだけど…。うーん…、わかった、わかったよお…。次は佐藤さんに動画撮影してもらう?」
優を抱きしめ、耳元で囁く。
優がこんなにお願いするのだから、これは優のため…、そう言い聞かせるように自分を納得させるが、優では揺れなかった子宮がきゅんっと疼き始める。
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