「わ…っ、すごいですね…。なんか、スポーツとかされてるんですか?」
あまり不必要に触ったりはしたくなかったが、正直この筋肉は気になっていた。
胸板は厚く、凛花の太ももよりも太い二の腕など、筋肉量がすごい。
しかし、魅せるためだけのボディービルダーとは違う、自然な筋肉は美しくさえ見える。
スポーツや武道を嗜んでいる者こそわかる良さがあった。
そのため、つい誘いに乗り、胸板や二の腕をペタペタ触ってしまう。
「…っ、…。」
(腰に手を…、でも、まあ、こういう場所だし、もう拒絶しても…)
凛花が筋肉を触り始めたと同時に、腰に手を回され、少しだけ眉を顰める。
しかし、ラブホに向かう時のように手を払いのけることはなく、観念したような様子を見せた。
「そうなんですっ。優ったら、あんな調子だから学校生活でもよくいじめられたりして。…でも、その度に私がしゃしゃり出たりしたから良くなかったのかな…。」
凛花の中でも優の比率が高いことは当然翔太にもバレていて。
優を褒めたり、認めるような言葉をかけると、凛花もどんどん口数が増えていく。
翔太のような、スクールカーストでは常に上位のような男性に、そのように優を褒められたことがなかったため、内心少し嬉しかった。
「ふふっ、優とこの前の休みにデートした時、高級なお店でディナーに行ったんですけど、そしたら…」
優を褒められて気分も良くなり、饒舌になる凛花。
これも翔太のテクニックとも知らず、心の固く閉ざされた壁は、少しずつ壊されてしまった。
ムードは出来上がり、お腹を優しい手つきで摩られる。
いよいよ触れ合いが始まり、口を一文字に閉じて、少し緊張した面持ち。
(ゆっくり、なんか探られてるような、変な気持ち…。心臓がバクバクしてるの、バレてる…よね…?)
お腹から始まった翔太の手は、徐々に胸元まで上がってくるが、もはや拒絶というより、ひどく緊張してるのがバレないかの心配だった。
普段なら払いのけて、睨みつけたりするものだが、そうさせないのが翔太の技術。
決して解けて落ちたりしないように、優以外には見せたくないという意志を表すように、固く結ばれた紐に手をかけ、許可を求める翔太。
覗き込む瞳と視線が合い、思わず目を逸らしてしまう。
そして、少し黙りこくった後、小さく頷いた。
(そこまで嫌なやつじゃないみたいだし…、何より優が望んでるんだし…。)
ぎゅっと目を瞑り、顔は徐々に赤らみ始める。
【そう言っていただけると嬉しいです。私的には、優さんほど上手にできていないと、謝罪をしようかと思ってたので…。何か要望があったり、こう動いて欲しい、とか指示がありましたら、遠慮なく教えてください】
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