僕がこの病院を選んだのは、中規模総合病院でほぼ全ての診療科目を経験できるからです。これから皆さんをよく見て、学び、覚えて、少しでも早く一人前の看護師になりたいと思います。
皆さん、これからよろしくお願いします。
深く頭を下げて挨拶を終えました。
最初の先輩たちからの黄色い声は、いつもの事…女の子が男を意識し始める年頃より、その声は何度も聞いている。高校、看護大学と女性の多い場所で過ごして来た。もちろん、最初のうちはこっちも男なので、何人もの女とやってきた。その結果、学んだことは女は面倒だということだった。
新人として、謙虚に教えを受けながら男としての誘いなどは、愛想良く対応して、二人きりになるなど勘違いさせるようなことはしない。
それでも、1人2人は熱心に誘われてしまう。
病院で初めての男性看護師ということかもだが、師長が教育係となってもらっている。
命を預かる現場、病院なので当然なんだが、僕より少し上の先輩は、師長は特に厳しいと煙たがって愚痴を言うことが多いようだ。独身なので、お局と言われているようだけど、顔もスタイルも僕の好み。ほぼずっと一緒に仕事をしているので、だんだんと気になりはじめた。疲れた時など師長を見て癒やされていた。
でも、ほんとに尊敬するな…それに女としても…と見つめてしまう事が多くなってしまい、目が合うと慌てることが多くなってしまう。
しきりに誘いをかけてくる先輩看護師が遂にうざくなった俺は、遂にちさとさんに伝えることにした。
「ちさとさん。」
その時は、名前で呼びました。そして思いを、告げるも固いとウワサされている師長だ。当然断られてしまう。
だけど…それで折れる事はなく。
「わかりました。でも、諦めた訳じゃないですよ。」と言った後に、
「ひとつだけお願い聞いてください。」とさらに真面目な声で話す。
「山崎先輩避けにこれから『ちさとさん』と呼ばせてください。」
(しきりに誘ってくる山崎先輩です)
「それから少しだけ、パーソナルスペースを近くしますので、それだけ許して欲しいです」
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