私は地方ですが、中規模の総合病院に病棟看護師長として勤務しています。
外来とは別で私は病棟の看護師の長として色んな患者様の看護をしています。
大型病院なら、各科に病棟は別れているでしょうが、中規模の私の病院では
整形外科から循環器病の患者様まで収容しています。
産婦人科や女性の患者様は病室が分けられているだけです。
ナースステーションも一つだけで、ICUだけは手術室階にあります。
そこは私の管轄外・・・。
私は准看の時からこの病院で働いて、看護師の任官式もここで行いました。
前任師長さんに可愛がって貰い、一生懸命業務に励みました。
気が付けばアラフォーを目前にして、看護師長にまで上り詰めました。
お仕事に熱心な事で、若い看護師からはお局的に思われています。
今の子達の様に男性と関わる事もほとんど無くお仕事ばかりに打ち込んだ
事が災いして、お堅い女と思われている様でした。
そんな女の園に今年も新人さんが来る様です。
人事課の人から、今年の新人さんは男性看護師だと連絡がありました。
研修会などで男性看護師も最近増えている事はわかっていましたが
まさか。自分の病院に迄スタッフとして迎える事になるなんて思いもしなかった。
時代が違うんだなと感じていた。
いよいよ新人さんが来る日、若い女性看護師達も噂で盛り上がっている。
ちさと
「おはようございます、今日からスタッフになる新人看護師を紹介します
吉澤くん・・・自己紹介して・・・」
私の背後に着いて来た男性看護師が挨拶する。
若い女性看護師達から黄色い声が飛び交う・・・。
それ位センセーショナルだったのだろう、看護師をする様なビジアルじゃないからだ。
その上、日頃お年寄りの患者さんやうちの病院は女性比率が高い。
ざわつくナースステーションで今日の受持を皆んなに伝える。
そして最後に・・・。
ちさと
「吉澤くんは今日初めてだから、みんなでバックアップして下さい
吉澤くん、後でシフト調整するから師長室に来て下さい」
そうして朝礼を終え、師長室に向かった。
ちさと
(きっと、若い子同士の方が良いわよね・・・最初だから日勤主体で考えよう)
暫くするとドアをノックして、吉澤くんが入って来た。
私はいつもは無い男性の部下が出来た訳だ、私の方が緊張してしまう・・・。
シフトを日勤主体でと伝えると、身体は丈夫なので皆さんと一緒で良いという。
彼の誠実な気持ちに感心している。
当然うちの病院も人手不足は深刻で、私も夜勤のシフトに入っている位・・・。
自発的に言って貰えると助かる・・・。
シフトを決めると、それはほぼ私の出勤日と一緒だ。
時々連勤まで申し出てくれた。
打合せが終わって吉澤くんは業務に戻る。
暫くして日課の巡視に向かう。
師長としての業務のうちだ、自然に新人の吉澤くんに目が行く。
しかし、彼はすぐに女性看護師や女性患者さんの人気者になっていた。
余り心配することも無かったのかなと安堵している。
でも、少しおかしい・・・まだ若い男の子、魅力的な女性看護師が
さっそく声を掛けて来ても素知らぬ顔をして、愛想で相手している様な
感じがする。
さっき私を見ていた目は、好意を感じる目だった。
気のせいだったのかな・・・しかし、業務には真摯に取り組み
人が嫌がるお仕事も率先してこなしている。
まるで若い頃の自分を見ている様だった。
吉澤くんがモチベーションを無くさない様に気配りして行こうと思って
その場を後にした。
(こんばんは、吉澤さん。
導入はこんな感じですが、よろしいでしょうか？
いきなり行為に移行するのはNGです。
私が新人看護師として目を掛けている事を利用して貶めて下さい)
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