クルマは滑らかに走り出す。
ちょっと、普段の彼からは想像出来ない車種・・・。
荒々しいと言うか、暴力的なエンジンの鼓動。
2シーターなので背中からストレートに伝わってくる。
穏やかなイメージの彼とは全く正反対な印象を受ける。
ジンジンとお腹の底から突き上げる様な硬いショックと
身体をきっちりホールドするレカロシート・・・。
何だか私も非日常の環境に興奮していた。
日頃から二人でお仕事をする事はあっても、これ程狭い
環境に二人きりになる事はまず無い・・・。
腕と腕が密着する程に窮屈な車内・・・。
コーヒーを淹れて来た水筒も後ろの補助席に置いていて
取る事も難しい・・・。
何か場を和ませなきゃ・・・そう思うがいざとなると・・・
今日はお仕事抜きで・・・そう言われると余計に意識してしまう。
外を流れる景色を見ながら少し無言の二人・・・。
車内はマジックミラーになっているのか、信号待ちで停車中に
ミニバイクの若い子がこっちに向いて身嗜みを整えていた。
暫く走ると高速道路の入口が見えてきた・・・。
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