香坂が保健室に向かう。
ノックしてから入ると、秋川先生が丸椅子に座っていた。
「秋川先生、どうかしたんですか?」
「いやぁ、美香先生にカウンセリングしてもらっていたんだ。最近悩んでることがあってね」
「そうだったんですか、教師もなかなか大変な仕事ですもんね」
「君はどうした?」
「あ、えっと、とある噂で、この保健室でいかがわしいことをしている生徒がいるって聞いたもので」
「そうなのか?」
香坂は秋川先生と話しながらも、本能で危険な匂いがしていた。
「ところで、香坂さん、カフェえんじぇるで働いてみないか?」
「私は、就職活動で忙しいので、そんな暇ありませんよ」
清華学園は優秀な生徒が多く、大企業のオファーも多い。
「そうなんだ?
希望してるところはどこなんだ?」
「今は
KDIエレクトロニクス
鵜沢ファイナンシャル
豊中ホールディングス
の三つの大企業を狙っていますけど、なかなか難しくて」
「そうか、それならいいこと教えてやるよ。
その三社の人事部部長がえんじぇるの常連客で贔屓にしてくれているから、えんじぇるで働いて気に入ってもらえるようにコネをつくっておいた方がいいんじゃないか? 俺からもそれとなく言っておくから」
「それ、本当なんです?」
(お、食いついてきたな)
「本当だよ」
「や、やります。やらせてください」
香坂は2つ返事で、えんじぇるで働くことを決めました。
(だけど、この甘い匂い、子宮が疼いてくるぅ)
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