「やはりそうだろうね…。竹本京子…、そうなるんじゃないかと…くくっ。」
この機会を想定し、男はPCモニターを追加購入した。
あらゆるカメラから送られてくる映像を同時に確認するには、ノートPC一つではとても間に合わない。
自室に備えている大型のテレビさえモニターとしての使用。
60型の高画質なテレビ画面にはより鮮明な映像が表示される。
また、その他モニターにも別のアングルからの映像が送られ、表示される。
姿見に写る正面の全身映像…、それを少し横の角度から左右をそれぞれ映し出している。
背後から後頭部を映すカメラもあれば、ローアングル、引き締まった臀部を中心に割れ目をしっかりと映し出すカメラ。
あるいは、些細な変化も見逃さないように表情を映し出すことに特化した位置にあるカメラなど。
実際、姿見に全身を映し出すことのできる位置が、もっともあらゆる角度から被写体を撮影できる位置となっており、大げさではなく映っていない部分などないのではないかと思うほどに全身を捉えていた。
結果として全裸になることを選択し、その身体を贄として捧げるかのような振る舞いに、男は笑みがこぼれる。
とはいえ、一瞬の躊躇いを見せた、指先が制止した瞬間もしっかり確認できていた。
それはある意味、まだ人間である証拠…だったかもしれない。
自尊心をゼロにし、隷属すること、従順であることを真に願っていれば、おそらく手は止まらなかった。
しかし、その一瞬の制止はわずかな理性の存在の証明でもあった。
その一瞬から数分置いての脱衣は、まさに勢いではなく、本能に抗えないわけでもなく、理性を有した状態でその選択をしたことに他ならない。
ただただ女の下着を汚して弄ぶことを生きがいとでもいうかのように楽しんできた男だったが、
ここへきてある意味、京子の存在が男の内に秘めた願望を引きずり出していったのかもしれない。
「どうするんだい…?私は、脱ぐように言っただけだ…。
まだ親友かい…?真弓は…、それとも変わってしまったかな…?親友という最も心が近い存在から…別の何かへ…。
どんな常態かを言っていないとはいえ、隣の部屋に真弓がいることは伝えた…。
それでも、その手は…指先は…止まらないのかな…?」
一糸纏わぬ姿を晒して程なく、京子の指先がその柔肌を這い始める様子が映り込む。
数分前には瞳の中に僅かに理性を宿した輝きを見せていた。
しかし、その光が曇り…、くすんでいるように見えたのはおそらく勘違いではないのだろう。
蕩けるような、惚けたようなその表情…。
真弓という良くも悪くも自分と比較されている存在の生活環境、状況を目の当たりにし、自身に重ね想像し、妄想し、凌駕することができるのか、脳内で再生…トリップ状態とでもいうかのような。
<10分…差し上げましょう。
今、貴女が…立っている位置が、最も私に全てを晒している位置。
惚けたその表情、潤んだ唇、つんと上を向いて勃起する乳首…、緊張と不安、興奮で笑うその膝…、
そして陰毛をしっとりとさせ…、内ももを伝い、今にも滴りそうな愛液さえも全て…。
10分間、その位置から足の裏を離してはいけません。
その場で…、真弓がその部屋で過ごしている状況をよく想像し、それを貴女自身に重ねて妄想してください。
時間内に、貴女の厭らしい愛液が床まで到達することができれば、隣の真弓のいる部屋へ入室することを許可しましょう。
立っているだけです。
その環境下に身を置き、どれだけ乱れ、壊れ、さらけ出す生活を望んでいるのかを確認します。
部屋をその状況にした初日、真弓にも同じことをさせてみました。
8分37秒…、彼女の愛液が床へと到達した時間です。
早いと感じますか…?それとも簡単に感じますか…?
ひとつだけはっきりと言っておきますが…。
もし、この指示を実行し、10分という時間の中で達成でき、真弓の寝室へ入ることができた時、
貴女はもう、真弓を親友と…いえ、友人として接することもなくなります。
貴女の分まで私が引き受ける…、そう言った真弓の気持ちを貴女は受け取らず、私の指示でここにいるのだから、もう既にそんな気持ちはないかも…しれませんけどね…?>
変態的な指示を示しながらも、要所で真弓との関係性を引き合いに出す。
まるで、仕事と恋人のどっちを優先するのか問うているかのように。
従い続ける事、必要とされる事、真弓よりも上だと証明することは、自身でも真弓を切り捨てることを意味する…とでもいうかのようで。
「あっさりクリアしてほしいものだ…。
その8分37秒という時間…、確かに真弓は愛液を滴らせ床へと到達させた。
ただあの時は…、どうしても必要とされたいという真弓に根負けし、乳首への愛撫は許可したのだから…。
貴女は…どうでしょうね…竹本京子…。くくっ…はは…。」
-寝室-
「んっ、んぅ…んっ…。」
ベッドの上で横たわる真弓は、リビングの京子同様に一糸も纏ってはいない。
万歳の状態で挙げられた両手は双方で手首を縛られ、縛ったビニール紐はそれぞれベッドの足へとつながれていた。
同様に両足首にも巻き付けられたビニール紐、やはりベッドの足へとつながれている。
この状況が想定外だったと推測できる理由に、拘束されたそれぞれの四肢の状態が挙げられる。
簡素なビニール紐で縛られているとは言え、縛っている手首、足首には必要以上に痛めないように薄手のハンドタオルが巻かれ、その上からビニールで縛っているような状態。
専用の物ではない勢い任せの拘束、の割に、真弓の身体を労わっているような処置。
それはある意味「真弓は今の状況を理解できていない可能性」を思わせる。
目には視界を奪うためのアイマスク。
かなり厚手で面積も広く、傍から見ても完全に視界はゼロだろうと想像するのに難しくはない。
そして猿轡…、の代わりに口の中に押し込まれているのは、あの日鍵と一緒に男が持ち帰った京子の下着だった。
完全に明らかになる、親友と二人で同じ男の毒牙に掛かり、嘆くどころか二人揃って魅了されている…その事実に。
大の字という惨めな姿で全裸を晒す真弓。
その股間…割れ目は一切の毛がなく、全てを無情にも丸裸…文字通り丸裸にされている。
「旦那さんがもし、剃って欲しいって言うなら考えるけど…。
そうじゃなきゃ、剃りたくないなぁ…。
ほんと、最愛の人のお願いだから聞いてあげるって感じだもん…。」
いつかの酒の席でぽろっと真弓がこぼした言葉。
当然、二人にとって男は下着泥棒でしかなく、婚約者でもなければもちろん恋人なわけもない。
しかしその無毛の丘、丁寧に処理され存在を微塵も感じさせないほど滑らかになった割れ目の周囲…、いつかのあの言葉が本当なら、真弓にとってそれほどの男になっている…ということだ。
そして寝室の入り口入ってすぐのデスクの上には、見知った模様のメモ用紙。
<目に入った瞬間…何を感じましたか…?助けたい…?ショック…?可哀そう…?羨ましい…?
あるいは別の感情でしょうか…?
親友を終わる時間…始めましょうか。>
読み進める先には、京子をさらに奈落へ歩み進ませる内容…、裏切りの序章が記されていた。
-10分後-
「十分です、竹本京子。
お隣りへどうぞ…?部屋に入っても、私がいいというまで一言も発さないこと。
守れなかった場合は…わかりますね…?」
【思いやり溢れるお返事、ありがとうございます。
そうおっしゃっていただけるだけで、心が救われます。
良くも悪くも、私の中にそこまで大層な筋書きはありません。
と言いますか、貴女からのお返事で枝分かれしていく、これが相手ありきのイメの醍醐味なので、乱れてしまう可能性も含めて筋書き通りです…、ちょっと卑怯ですね。
変な言い方をしますが、暴走しても良いようにしてみました。
それは最終「裏切りの序章」の部分。
もちろん、親友を終わる時間への指示等はある程度考えてはいますが、ここを京子さん「自身で親友を裏切る行為」に耽ってもらっても良いかなと考えました。
描いていただけるなら、それを考慮してもちろんレスをしますし、手前でとどめるならこちらで裏切る行為を指示します。
気持ちと、そこに至った時の文章量等で判断されてください。】
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