「はぁ…はぁ…はぁ…気持ち…よかった…。」
一日中…いや…以前から心のどこかで望んでいた事なのかもしれない。自宅以外での自慰行為。公の場で無防備に快楽を貪る行為に憧れのようなものがあったのかもしれない。
ついに学校と言う神聖なる場で自慰行為に及んでしまった私は、言いようのない幸福感に包まれていた。
息を乱し立っているのがやっとという状態で、全裸のまま立ち尽くし、身なりを整える為の体力を回復するまでの時間、その時にトイレの入り口の扉が開いてしまう…。
『えっ…うそっ…誰か…入ってきちゃった…。』
どうやら二人組は化粧直しの為に訪れたらしい…。
化粧直しという名の公には語れない噂話に興じる魅惑の時間を得る為に…。
声には聞き覚えがある。一人は学年主任の皆藤麻衣子…。40を過ぎていながら未だに独身を貫き、教育に一生を捧げると豪語しているらしいが性欲に何か問題があると陰で噂されている人物。
そしてもう一人は、数年前に新任教師としてこの学校に着任した結城里美。
誰の話でも相手の目を見て真面目に聞くタイプで、真剣さを印象づけるものの、その内面は二重人格とも噂される問題のある人物。
『この二人…やっぱりこんなところで…。』
表向きは両者とも教育熱心な教師として振る舞っていたものの、ふとした時に見せる仕草や言葉遣いに疑問を感じさせるようなボロを出す…。
そんな二人を心の底から信頼するような共感者は無く、どちらかというとこの二人の話のネタにされない為に、腫れ物にでも触れるように当たり障りない対応を余儀なくされていたように思える。
その話の内容…その話は職員会議の議題にも上がり、『報告書』のような文面を見た記憶がある。
しかし紙切れ一枚の報告書には具体的な内容は記載されておらず『不適切行為』とされているだけだった。
しかしながら裏ではまことしやかに囁かれていた自慰行為疑惑が存在していることも知っていた。
ただし、それはあくまでも噂話として認識していたレベルでのこと。真相は定かではなかったが、今まさに二人の噂話によって具体的な話が飛び出して信憑性があるようにも思える反面、突拍子もない話にも聞こえてくる…。
話の内容もさることながら、問題の二人の噂話が行われている空間に、扉一枚隔てた所で私は全裸で立ち尽くしている事の方が問題。
こんな姿であること…ここで自慰行為に及んでしまった事…。ましてや男性の香りを放つ下着を身に着けている事など…決してこの二人に知られてはならないと言う危機感が私を包み込む。
『この二人に知られたりしたら…事実がそれ以上には脚色されて人に伝わってしまう…。
どうしよう…このまま気づかれないで…。』
危機的状況にあっても、何故か私の身体は熱く昂り、太ももに伝う光る筋は止めどなく流れ続けるほどに溢れていた。
まるでこの状況を咎められ、個室から連れ出されて蔑みの言葉を浴びせられてみたいと望んでいるかのように…。
それは二人の話の内容が秘められた欲望を他人に見つかってしまった生徒の話だったからだろうか。
まさかあの真面目そうな生徒が、校内で自慰行為に及び、それを自撮りしていたとは…。
しかも全身を震わせてイってしまうなんて…子供だと思っていた生徒が一人前にイク事を知っていたなんて…。
その自撮りも誰かに指示された…?誰かに見せるために…?それは語らないまでもそれを妄想してしまえば歪んだ欲望の被害者にも思える。
まさに今の私の立場と姿そのものに思えてくる…。
『えっ!?漏らしちゃった…!?イって…漏らしちゃったの…!?』
一番の驚愕はその事だった。イクと言う感覚を得ることはもちろんあったが、漏らしたことは一度も無い。モシカシタラ私が知っているイク事とは別のイクがあるのかもしれない。
漏らすほどの快楽って…どんな…。
そんな想いが私を包み込み、尚更に溢れ出す蜜は太ももを流れ落ちていく…。
この二人には要注意…。そう思う反面、二人の真意を語り始めた言葉には不思議と共感できたかもしれない。
誰かに見せるために自撮り…。
恥ずかしい姿を晒して喜んで欲しい人がいる…。
私で興奮してるんだ…。
確かに私の今の状況そのものに思えた。
二人の話は、盗撮されているとわかっていても、恥ずかしい姿を晒してしまった私と重なってしまう…。
止めどなく溢れる蜜は、再びこのまま弄ばれたいと身体が欲しているように感じたものの、それよりもこの場を早く脱しないとと言う危機感が私を襲う。
身なりを整えようと焦る私の心の中に、先程の二人の話が繰り返し響き渡ると…。
「恥ずかしい姿を晒しして…喜んで欲しい人…?
私で興奮してる…おちんちん…勃起させて…?」
そんな言葉が今のこの姿を見たら、あの人は喜んでくれるのだろうか…?そんな疑問が心の奥から湧き上がり、脱ぎ捨てた上着のポケットからスマホを取り出すと自分自身に向けて…。
「トイレで…学校のトイレで…全裸でオナニーしてる姿…喜んでくれるのかな…?」
個室の中では近すぎて全身を映すことはできなかった。これでは状況がよくわからない。
もっと広いところで…。
頭の中には生徒が自撮りしている姿が思い浮かぶ。
誰かに指示されていたのか…誰かに見せる為だったのか…。
そんな生徒の恥ずかしい姿を思い浮かべると、私はスマホを手にしたまま、個室の扉の鍵を開いてしまう…。
「あそこなら…化粧台の大きな鏡の前なら…。」
危険を冒してまで喜んでもらう為に…。
そんな被虐的な感情が私を突き動かしたかのように個室から恐る恐る足を踏み出すと、いつ誰が入ってくるかもしれない恐怖と闘いながら化粧台の前まで行くと、椅子に片脚を上げて股を開き、指先で割れ目を開きながら固く尖った突起に指先を這わせながら鏡に映る自分自身を撮影する…。
鏡に映る自分自身を見つめながら、恍惚の表情を浮かべる私。このままイキ果てるまで自慰を続けたいと願う気持ちを無理矢理に封じ込めて個室に逃げ戻る。
「凄い…私…凄いことしちゃった…。」
あり得ない行為に興奮が収まらない。
それでもなんとか身なりを整えるとトイレを出て帰職員室へ向かう。
興奮を抑えようとしても無理なことだとわかっていた。トイレでの行為も…二人の会話も…身に着けている下着も…私を昂らせるには十分な要素…。
そんな私を更に追い込むように、机の上のスマホが震えた。
咄嗟にあの人からだ…と認識させる。
周りを見渡してもその音には反応した者はいない。
それでも後ろめたさのような感情に包まれながらスマホに手を伸ばす。
『コミュニケーションって…。』
子供達が変な臭いと騒ぎ出した光景を思い出す。
その香りについて知らないはずはずだと子供扱いしていた自分自身を打ち砕くようなトイレでの噂話。
『もしかしたら…うちの教室の中にも…もう経験した子が…。』
だとしたら男性のあの香りを知っているのかもしれない。もしかしたら気づいた子がいるのかもしれない…。
得体の知れない恐怖が背筋を冷たく感じさせると共に、メールで脅しのような文面に真実味を加えてしまうようにも思えた。
『プレゼントって…感想って…。』
戸惑う私を淫らな世界に惹き込んだのは帰宅途中の真弓からのメールだった。
『合鍵って…部屋の中に入ってくるかもしれないでしょ…!?
合鍵を吊すって事は…部屋の中に入ってもらっても構わないって…事だよね…?
部屋に入ってきたら…えっ…!どうなっちゃうの…!?』
自分に問い掛けるような言葉を心の中で呟いたものの、その答えはハッキリしていた。
部屋に入ってきた男に真弓が弄ばれる姿。
全裸に剥かれて目の前で見られながら自慰行為を披露する姿。
勢いよく飛び出す白濁した液体を身体中に浴びせられる姿。
もちろん…好きなように貫かれ、男の欲望を身体で受け止める姿も…。
危うい行為であることは間違いない。
しかしながら、真弓に先を越されたくないという対抗意識が私の心を歪ませていく。
帰路にあるホームセンターへと自然に足が向くと、震える指先で差し出した鍵…。
「合鍵を…この鍵をコピーして…もらえますか…?」
ホームセンターからの帰り道、私は自分自身と同じくらいに大切そうに合鍵を握り締め歩いていた。
『真弓にできるのなら…私にだってできるはず…。』
私一人では到底決断なんてできるはずはなかった。
しかし友人に負けたくないという想いが、私の揺らぐ心を黙らせるかのように合鍵を作らせ、友人が迷っているうちに私が実行すると決断した。
帰宅して玄関前の紙袋を何の不信感も抱かず部屋の中に持ち込む。
そしてメールの通りに今日の感想を…。
≪今日は…昨日の下着…。あなたの欲望を受け止めた下着…。ベットリと汚された下着を穿いて学校に行きました…。
もう現実の世界のこととは思えず…授業でも失敗ばかり…。
生徒に書き間違いを指摘されたりと散々な状態で…。
でも…ある時…生徒の一人がなんか変な臭いがすると言い始めて…。
教室中がその話で騒がしくなって…。でもそのあとすぐに鳴ったチャイムに救われました…。
逃げるようにトイレに駆け込んで…やっぱりパンティーからはあの香りが凄くて…。
でも我慢したんです…放課後までは…。
放課後…トイレに行って…私…オナニーしました…。あなたに覗かれていた時と同じく…学校のトイレで…全裸になって…。≫
告白しながらトイレでの噂話も脳裏に浮かび、ソノアトノ自撮り写真を改めて見直すと、淫らな気持ちが込み上げてきて…。
≪これが…証拠の写真です…。オナニーをして…イキ果てたあと…化粧台のオオキナ鏡の前で…写真を撮りました…。≫
メールに画像を貼りつけて送ると、あの人二人の会話が思い浮かぶ。
「私も…あの人に喜んで欲しくて…自撮りしたの…。学校のトイレで…全裸でオナニーしてる姿…。
そう…あの人に見せるつもりで自撮りして…私…凄い濡れちゃった…。
私の恥ずかしい姿で…あの人が興奮してくれるなら…あの人が…おちんちん…勃起させてくれるなら…。
あの人が言う通りに…私…何でもしちゃう…。」
既に『プレゼント』は私の姿を追い掛け始めていた。私の動くあとを追い掛けるように首を振り、赤いランプが撮られていることを告げてくる…。
そのカメラの前…いいえ…あの人の目の前で…。服を脱ぎ、一日中身に着けて蒸れた男と女の欲望が絡み合った香りを放つ下着…。
最後の一枚を脱ぎ捨て全裸になると、周りを確認することもなく窓を開けてベランダに出る…。
『まだ…少し明るいのに…。私…全裸でベランダに…。』
通りの方を見れば時折人の姿も見える。幸い誰も気づかずに通り過ぎていくものの、通りから丸見えの場所で全裸を晒す自分自身に昂りすら感じて…。
『あの人が喜んでくれるなら…私…こんな事も…できるんだから…。』
全裸を部屋の外で晒したまま、淫靡な香りにまみれた下着をベランダに吊し、一度部屋に戻ると何かに躊躇うように見つめる先には、コピーしたばかりの部屋の合鍵。
「あの子が…真弓が…全部差し出すって…あの子の全てって…何をされてもいいって…覚悟してるって事よね…。
知らない男の人に…全て差し出すって…。」
頭の中には自分自身へ向けられた男性の欲望の数々…。
留守の間に部屋に入られて物色されたり…。
エスカレートすれば、この身体すら男性の欲望のままに扱われるかもしれない…。
そんな妄想は、私の中の被虐的な性癖を刺激し、真弓への対抗意識が私の背中を押す…。
「これで…真弓が言う通り…逃げられなくなる…。
これは…あの人に…全てを差し出すって…意味なんだから…。
下着を差し出すだけじゃない…私の身体も…全て…自由に…って事よね…。」
手に握り締めた合鍵を再び全裸でベランダに出ると、汚れた下着と共に吊してしまう…。
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