ベランダの様子を窺うでもなく気に掛けていた事に間違いはない。
安全だ大丈夫だと言い聞かせた呟きにはやはりその言葉の裏の意味があるように思える。
「もし盗られてしまったら…。でも…まさかね…。」
その夜は何度となく呟いた言葉。その度に頭の中に映しだされる下着の使われ方を頭をブルブルと振っては掻き消していたのだから…。
カーテンをほんの少し開けて外の様子を見てみる。
「まだ起きてる家はあるみたい…。電気がついたままの部屋…。あの明かりがあればこのベランダは明るいし…。」
何回も確認したはず。とは言え洗濯物のひとつひとつまでは確認していなかった。
もちろん、暗闇に沈むまでは犯行に及ぶはずはない。そんな安易な考えが間違っていたのだろうか…。
犯行の手際の良さが私に気づく隙を与えなかったのか…意識の有るうちには盗られたと認識することはなく、いつの間にか部屋の薄暗い明かりの中で深い眠りに落ちてしまった。
翌朝、小鳥のさえずりに目を覚ました私は、恐る恐るカーテンを開けてみる。
もちろん勢いよく開けても問題はないはずなのに、何故か自分が悪いことをしているような後ろめたさからなのか、そっと覗き込むように開いたカーテン。
「大丈夫だよね…なくなってないよね…。」
それは盗難に遭って居ないときに自分自身がガッカリしない為のおまじないのように呟き、その言葉の裏側のほのかな期待を隠す為の自分への言い訳だったのか…。
「えっ!?うそっ!?足り…ない…?確か…3枚干したはず…。」
自分の目を疑った。自分自身の記憶すら疑うかのような感覚。
確かに3枚干したはず。赤と黄色と濃いピンク…。
わざと目立つように派手な色を選んで他の衣類で隠す事もせず、あえて外側に下着を並べたはずの1枚…一番派手な赤い下着が無くなっている…。
「うそっ…ホントに盗まれた!?」
慌ててベランダに飛び出て辺りを見渡してみるものの、紛失した1枚はどこにも見当たらない。
「風で飛ばされたわけじゃないよね…やっぱり…えっ…でも…まさか…。」
まだ現実として受け止められない私は、盗難以外の理由を考えようと必死に思考を廻らせる。
それでもちょうど良い理由なんて見つかるはずはなく…。
「盗まれた…!?ホントに盗まれたの…!?けっ…警察…。えっ…でもなんて言ったらいいの…?下着泥棒に遭ったって…?そんな恥ずかしいこと…言えるわけない…。」
自問自答を繰り返しながらも、頭の中では現実として起こった事象を受け入れるしかなく、何度となく繰り返していた妄想が、より色濃く脳内で再生されてしまう…。
「うそっ…うそよ…まさかそんな…。」
認めたくはない現実を突きつけられて、動揺が治まらない。その動揺の隙を突くように妄想が脳内で再生され、友達の被害を聞いたときのような嫌悪や恐怖は感じられなかった。
それは明らかに好奇心を持って下着を干したのだから、無くなった下着のその後を妄想すれば、胸はドキドキと高鳴る鼓動を抑えられず、身体の芯からカーっと熱く昂るような感覚すら私を襲い始める。
「うそっ…ホントに盗まれちゃった…。わざと…目立つように干したから…?初めてベランダに干したのに…。マンションの敷地の外からも見えたのかな…。」
窓を閉めカーテンを閉めて、僅かな隙間から物干しに下げられた洗濯物を見つめながら小刻みに震える膝。それが恐怖ではない事はわかっていた。
身体が熱く鼓動が高鳴っているのもわかっていた…。
「私の…私のパンティ…盗まれちゃった…。誰だかわからない…きっと男の人…。
今頃…誰かわからない男の人の手元に…私のパンティが…。」
妄想が妄想を呼び、悪戯される下着を思い浮かべると、更に身体の芯から熱を帯びた何かが溢れ出してくるようで…。
「イヤぁ…私のパンティ…悪戯しないで…。何度も穿いたパンティだから…落ちきらない染みだってあったのに…。今頃…パンティ…眺めてるのかな…?クロッチを開いて見られてるのかな…。」
落としきれない汚れを見られる羞恥。
洗ってあるのだから匂いなどはしないとは思いながらも、股間にあてられていた部分を見つめられる行為は、まるで股間そのものを覗かれているような恥ずかしさがある…。
「イヤっ…そんなに見ちゃダメ…。恥ずかしい染みがついてるパンティ…。悪戯しちゃイヤっ…。」
膝の震えは全身に伝わり、立つ事すらままならない身体をソファーに投げ出すように崩れ落ちると、自然と指先は膝から太ももを撫でるように這い回り、閉じようとする膝を力ずくで押し開くように裂き開くと、いとも簡単に太ももを這い上がり、下着の上から股間を撫ではじめる指先。
「あぁ…イヤっ…私のパンティ…どんな風に使われるの…!?男の人の…楽しみに…使われちゃう…!?
男の人の…欲望の…捌け口に使われちゃう…!?
どっ…どうしよう…私のパンティ…イヤらしい匂いなんてしないよね…?ちゃんと洗ったし…でも…匂い嗅がれたりしてるよね…?」
妄想を助長するように自らを追い詰めるような言葉を並べ立てていくと、興奮はより強いものとなって私に襲い掛かってくる…。
「あぁ…ダメ…私のパンティに悪戯しちゃイヤ…。盗まれちゃったパンティ穿いて…今みたいに…弄ったこともあるんだから…そんなパンティ…盗まれちゃって…イヤらしい匂い…しちゃったら…どうしよう…。」
自分で自分を追い詰めるように呟きながら、辱めるゆびさきの動きに、堪らず股間は潤を垂れ流して下着の色を濃くするほどに染みを拡げてしまう…。
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