もくもくと、入道雲が湧き立つ夏の日、慎一さんより一足先に
慎一さんの実家に帰省していた。
私が住む都会の喧騒から離れ、蝉の鳴く声がし暑いと言っても日陰では
風通しが良ければ一息入れる事も出来る。
その分、不便事もあるのだが・・・。
まだ、到着した初日・・・一休みしたかったが、子供達は海に興味深々。
私の住んでいる所にも、海水浴場は有るのだけれど人工だし水質も余り
良いとは言えない、普段はプールで誤魔化していたがやはり海と言うだけで
心が躍るのだろう・・・。
慎一さんの両親も、孫の希望には逆らい切れず早速慎一さんのお友達の
海の家に行く事になった・・・。
私は荷物の整理も程々に移動で疲れていたがお邪魔する事に・・・。
歩いてそう遠く無い場所にビーチはあった。
それ程海水浴客は居なかった。
お母さんが店の人に声をかけると、その人が飯島さんだった。
飯島さんは慎一さんの親友で、この海の家を経営していた。
普段は漁師さんで、シーズンにはこうして海の家を開いていた。
と言っても、平日のお昼前・・・お客がまばらなのでお一人で
切盛りしているそうだ。
私は飯島さんとは、今日でお逢いするのは2回目、私達の結婚式に
出席して貰った時だった・・・。
私は特に印象に無く、お顔も忘れてしまっていたが飯島さんは
覚えている様だった。
お母さんに続いて、私が会釈すると私のゆったり目の白いワンピース
越しに身体を見られている様に感じたが、子供達が飛び付いても嫌な
顔もせず優しく頭を撫でてくれている。
優しい人なんだな・・・それが私の第一印象だった。
更衣室やトイレ、シャワー室の案内をしてくれた。
子供たちも懐き始めていた・・・。
おとうさんと、お母さんは海に入る気は無くゆっくりすれば良いと
テーブル席で座っていた。
はるな
「ありがとうございます、それじゃあ・・・言葉に甘えて」
そう言って案内された部屋で子供達を着替えさせた。
私も着替えようとすると、慎吾ちゃんがワンピースを引っ張った為に
一気に脱げてしまう・・・。
私だけなら視線を感じ取ったかも知れないが、子供達の事が気になり
そそくさと、ワンピースの水着に着替えた。
隠してなんている余裕は無かったからだ・・・。
日焼け止めを子供達に塗り、自分も塗って、白いワンピースの水着に
広ツバの麦わら帽子を被って、子供達にも麦わら帽子を被らせて浜辺に出た。
おねえちゃんは、お父さんとお母さんと一緒に浜辺の砂で遊びだし
慎吾ちゃんは私と一緒に、浅めの所で水遊びを始める。
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