「期待…?何の期待だ…?由香里…。」
艶やかに変わる声色、震える身体、揺れる膨らみ。
男の一挙手一投足の全てが何かしらの影響を与えるほどに由香里は息を荒くし、反応を見せる。
ゆっくりと唇を重ねるつもりで寄せていった口元。
口先に感じる柔らかく、少し湿った感触。
それはノックをする前に開き、そして、受け入れる…のではなく、引き入れるほどに求めてくる。
唾液に滴る音が聞こえそうなほどの水気を帯びた舌先が、まるで性行為を模すかのように絡みつく。
全身で全身を感じたいかのように、擦りあい、ぬめりあう。
数回目の口づけ以降、由香里には唾液を啜るなと伝えた。
口元から滴るほどに溢れる…溢れるほどに興奮していることを自覚し…、もっと興奮するように…と。
そんな些細なアプローチ、それらを数打てば由香里はただの未亡人、いや、母親、から女を取り戻していく。
時間はかからなかった、極上の雌を目の前にし、それを引き出すことができなかった前夫が如何に力足らずだったのかを想像させるほどに。
「だらしない…良いじゃないかだらしなくて…。
夫ってのは、妻にとって、唯一だらしない一面を曝け出しても良い存在だ。
咎める方がどうかしている…。そうだろう…?由香里…。
お前はだらしなくていいんだよ…、ちゃんとしようと思わなくていい。
それが俺の求めている、才賀由香里っていう女なんだから…。
ん…ちゅ…ちゅろ…ぇろ…。
だから、俺好みの女になってくれればいい…、そして、俺好みの家族を3人で…作っていこうじゃないか…。
俺と、由香里…そして、愛美と…。
お前に必要なのは…俺好みの家族…俺好みの生活…、そうだろう…?」
耳の縁に唇を這わせ…舌先でなぞり上げながら少しの唾液が流れ込む。
それを啄むように大胆かつ繊細に、その高揚した耳たぶにしゃぶりつく。
悪魔の囁きは、由香里自身への希望…要望、願望、だけではなく…家族として…もとい、愛美への要求も少し織り交ぜた悪質な物へと変化。
「お前に比べればまだ小ぶりだが…、愛美も良い女になるんだろうな…。
やはり良い女を母親に持つと、娘の育ちも違う…。」
都合の良い生活への根回し。
常識や価値観など度外視…、男の言うことがまるで全てかのような、ある種の洗脳に近いアプローチ。
もちろん、今日に始まったことではない。
前夫に蔑まれ、自信を失っていた女の雌の部分に再び光を与えるための言葉を、投げ続けている。
雌の存在意義を感じさせることで、燻っていた承認欲求を満たし、常識より快感、娘より男。
三十数年培ってきた価値観を瓦解させ、塗り替えの工程。
はだけた寝着…、その中でもぞもぞと蠢く生き物のように指先。
柔らかい膨らみの先端を転がし…あるいは下半身の中央で濡れそぼった蜜壺の上部で燻る肉芽をなぞるのか。
ちらっと、視線を向けた先に人の気配。
にやりと口元を緩めれば、
「気になるだろう…?これから自分がどうなってしまうのか…。
脱ぎなさい…。
もっとよく見せてくれ…。俺と家族になろう…。」
その言葉は誰に向けてはなったものなのだろうか…。
男を満たすために存在する、そんな血を分けた母娘の骨の髄まで堪能する為、男は胸躍らせる。
【素敵ですね。
サイズで表現するのではなく、上手く描写に絡ませてくださったのがとても素敵です。
それも背景つきで。
それにつけて、受け身すぎず描きすぎない貴女の描写。
とても素敵です。
二人で先々まで描いていくはずなのに、続きを求めてしまうような…矛盾した興奮を感じています。
嫉妬に関してもありがとうございます。
プレッシャーをかけるつもりはないのですが、私の質問に対する答えが、私の希望の120返ってくるので自然に続けてていいんだな…って、正直感じました。
由香里、愛美のバランスを考えて…、描きやすさは重視していきますね。】
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