そろそろ娘にも会ってほしい。
互いにバツイチの由香里と付き合うようになり、この言葉を聞くまでにそう時間はかからなかった。
一目見た時から感じていた、揺れやすい心と魅力的な振る舞い。
一人娘と一緒に頑張っている…と聞いた時には、さらに興味が増したのは言うまでもない。
自分よりも若い男にアプローチされたのがそんなに嬉しかったのか、由香里はこちらの言うことに首を横に振ったことがなかった。
もちろん、こちらもそう無理難題をいうわけではなかったが。
男受けのよさそうな見た目に反して、離婚後に男が寄り付かなかったのが不思議なほど魅力的な容姿、体型。
その娘とくれば、さぞそそられる事だろう。
少なからず期待していた。
しかしその期待を、さらなる方向で裏切られることになるとは。
「はじめ…まして…。」
こちらが伸ばす手に、震えながら伸びてくるその手。
緊張…?いや、それにしても様子がおかしい…、緊張するならむしろ握手すら抵抗の意思を見せてもおかしくない。
何より、手が出てくるまでは普通だった…。
徐に覗き込む少女の表情。
その顔には見覚えがあった。
「…なるほどね…。」
由香里には聞こえない。
愛美だけに聞こえる声でそう呟く。
あの頃よりもますます魅力的に…、女としての磨きがかかっていた。
そして、意地悪く男はこう続ける。
「愛美ちゃん…だっけ…?宜しくね…。朝倉雄介だ。」
愛美…と告げるも、由香里からはまだ名前は聞いていない。
当然、愛実も自己紹介などまだしていない。
もちろん適当に誤魔化すつもりでいた。
以前話した時に名前を聞いたじゃないか…とでも言えば済む話。
まずは愛美への揺さぶり…、知っていると知られることに何か不味いことはあるのか…。
母、由香里はどんな反応を…?
流れ次第では、母娘揃って…そう…支配下…奴隷にでもできそうなほどの興奮。
歪な3人での生活が始まろうとしている。
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