年齢的にもいくらか経済的な支援ができるわけではない。
当然、できるのは手伝い程度。
もし、朝のやり取りが社交辞令的な会話であったなら惨めなだけ。
しかもそこに自分の欲が混ざっているとなるとそれはより一層の事。
改めて希望を伝えることはかなりの緊張、そして承諾されれば得られるかもしれない少しの興奮。
そして当人たちはどう思うのか、あまり間を置くことなくまず返事をしたのは秋菜だった。
二人はどう…?
と視線が問いかける先、千夏、春馬、共に首を縦に振る。
じわっと汗が溢れたのを感じた。
それと同時に訪れる安堵と興奮。
妄想に近い計画だけ、何の確証もない、しかし3人に受け入れられることで可能性が0ではなくなったのだ。
「ありがとう…ございます。」
何時ぶりだろうか、この家に着て丁寧口調で話し、頭を下げたのは。
…
……
その日は千夏も春馬も学校だった。
春馬は部活ではなくプールだったが、いちいち用意を取りに戻るのが面倒だからと圭祐は同行しなかった。
ふてくされながら春馬は家を出ていったが、別段秋菜に咎められたりはしなかった。
「…。」
のんびりとした日中。
早々に朝食の後片づけて、簡単に部屋を掃除する任を全うすると、のんびりとリビングでくつろいでいた。
外は汗ばむ、等というレベルではない灼熱の暑さ。
しかし、圭祐が横になるリビング、そのソファは別世界。
程よく空調の利いたその空間はもはや天国といっても過言ではない。
気が付けば睡魔がやってくる。
うっすらと寝息を立てながら…、しかし直前まで考えていたことと言えば昨日の秋菜の下着。
そして今日は今日とて、うっすらとスカート越しに浮かび上がる秋菜の花柄の刺繍下着。
昨日で言えば洗濯が終わった綺麗な状態の物。
しかし今日見ていたのは、今まさに履いている下着だ。
程よく股間に疼きを与えてくるその様相をおもえば、夢の中へ誘われつつある意識の中でも、ぐっと股間を持ち上げていた。
そんな様子を気にかけて近づいてきた秋菜が見ているわけもない。
「ん…。」
眠気の中に感じる視線。
(秋菜…さん…。)
その視線は明らかに股間に向いている…そんな気がした。
驚いている様子。
当然、ほんの少しとはいえ意識があることなど知るはずもない。
(見てる…秋菜さんが…。)
当然、自分が勃起していることは感覚的にわかる。
そして視線の角度と合わせればそこに向けて注がれていることも。
「あ…つい…。」
今思えば下手な演技、大根役者も甚だしい台詞を漏らしながら、シャツを胸元までめくり上げ、煩わしそうに短パンを少し下げる。
体質的に筋肉質なのか、うっすらと腹筋は割れ目を見せ、ずれた短パンは固く勃起したボクサーパンツ越しのモノに引っかかったまま臍元まで戻ってくることはない。
初めての「見せる行為。」
その日を境に、加藤家で少しずつ、ほんの少しずつ松本圭祐の欲求を満たす行動が見え始める。
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