「え、あ、いや…。」
不意に飛んでくる、いつまで揉んでいる、という言葉にハッとして思わず手が離れる。
言葉とほぼ同時に飛んできたT字の剃刀、そしてジェル。
「痛っ。」
咄嗟の事で上手く受け取ることができず、ジェルは手に取るも剃刀の柄が頭に当たる。
マンコを綺麗にしてやれ…その言葉と投げつけられた剃刀、それが示すことの意味、さすがに斎藤も理解するのは難しくない。
「え、それって…。」
思わず向ける視線の先にはその日何度目かの花崎の裸体。
そして恐らくこのカミソリがあてがうことになるであろう股間部。
べっとりと汗、尿で湿った陰毛が張り付いた割れ目。
普段の言動や行動から、花崎が如何に女性らしく振る舞い、意識を高く持っているか。
誰よりも斎藤がそれを一番よくわかっていた。
それをガサツ、男勝り呼ばわりする取り巻き。
「ちょ…やめ…て…。」
当然のように躊躇う様子を見せる斎藤。
しかし、下劣な上司たちは徐々に斎藤の扱い、どうアプローチすれば斎藤自身の行動につながるかを理解し始めている。
中途半端な正義感、これを少し刺激すればいい。
後はスイッチを入れる手助けをするだけ。
にやりと笑みを浮かべる汗本の手には小さな鋏、そして周囲のにやける顔をしり目に張り付いた陰毛に刃先を通し。
ジョギ…ジョギ…。
わざとらしくカット音を際立たせるように刃と刃を強く擦り合わせる。
はらはらと床へ舞い落ちる花崎の陰毛。
「やめ…、ろ…やめてくれよ…。」
沸々と湧き上がる、形容しがたい感情。
人と呼べぬほどに卑劣な周囲の振る舞いへの殺意。
目の前の女ひとり助けられない自身への苛立ち。
一方で、憧れの女が恥ずかしい姿をさらされてしまっているという背徳感。
そしてその状況に少なからず興奮してしまった、自分…それを示すようにスラックスの中では惨めな勃起を晒している感覚は自分だけが知っている。
「はは、ははっ、そうっすよね…。課長…変わってくださいよ…。
先輩の汚いまんこの毛は、俺が全部綺麗にしてやりますよ…。
そうですよ、そんな汚いこと、上司にさせるわけにはいかない…。
つるつるにしてやりますよ…先輩…いや、花崎のまんこ…。
しょん便臭い毛なんて全部なくして…丸見えにねぇ…。」
その言葉に目を丸くする周囲。
高鳴る鼓動…、全身と沸騰しそうな血が物凄い勢いで流れているのを感じるほど、そして額からは滝のような汗。
普段とは明らかに雰囲気の違う斎藤のその言葉に、一瞬周囲が騒然とする。
「さぁ…先輩…。
危ないから足…ちゃんと開いてくださいね…。」
少しずつ距離を詰める斎藤の顔が、その日最も花崎の股間に近づく。
そこまで近づく必要があるのか…、そう感じるほどの距離、舌を伸ばせば舐めることも可能なほど。
「は、母…いいじゃねぇか斎藤…その汚いまん毛、ちゃんと後輩が持って帰って処理しろよっ。」
「そうだそうだ…、大好きな先輩のしょんべんまみれの陰毛を、お前のちんぽに巻き付けてしこしこしてやれ。花崎も喜ぶんじゃないか…?」
一瞬の静けさ後に戻ってくるヤジ。
満足げな笑みを浮かべる、汗本…禿田。
「あんな糞に触らせるくらいなら…俺がやってやる…。」
中途半端な正義感…、誰かが言った。
歪み始めたその正義感。
拗れる関係。
花崎が目を覚ませば、いったいどうなるのか…。
【再三になりますが、頻度はお気になさらず。
お忙しいことは良いことです。
くれぐれも体調にはお気を付けくださいね。
本編では相変わらず希望にそぐわない流れしか描けず申し訳なく思っています。
快楽に流されることもなく、ただただ可哀そうな感じになっていくのは、意外と苦手なのかもしれません(笑)】
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