「は、はいっ、す、ませんっ!」
顕著な反応を見せるのは優しく声をかけてくれる花崎よりも罵声、怒声、とにかく威圧感で高圧的に煽り立てる筋山の言葉の方だった。
花崎の両手では収まりの利かない嘔吐物を、咄嗟に手渡されたものを広げて店内が汚れないように懸命になっていた。
もはや何の為に存在しているのかわからない、斎藤の存在価値。
花崎の足を引っ張っては一方的に辱めを受けさせ、煽られればその惨めな挙動がさらに花崎を不利な方向へ行動させる。
「ん、、ぅぷ…。」
目の前で嘔吐する花崎のその光景をまじまじと見つめる形になれば、入ってくる情報は視覚だけではない。
喉奥からむせ返るような感覚が移ったかのように、気分を損なわせ、
さらにアンモニア臭…嘔吐物独特の胃液の混じった形容しがたいえぐみのある臭いが、あの優しい花崎の口元から溢れるように流れてくる。
耐え切れず、斎藤自身も口元を押さえ「もらいゲロ」しそうになるのを懸命にこらえた。
アルコール臭とアンモニア臭が混ざるとこうなるのか…、想像を絶する光景。
ただの酔っぱらいがそこらで吐き散らかしているのとはわけが違う。
飲んでいるのは小便…、それが胃液と絡まり再び外に出てきているのだ…、異常…、異様…。
「おぇっ、気持ち悪…つか、くっさ…。おぇっ、ぅぷ…。」
「確かに…んおぇ…。くっせぇ…。」
煽りに煽っていた取り巻き達も、想像の遥か外へとやってきているこの状況に、興奮を通り過ぎえずき始める。
数人は、臭いに耐えかねて離席し始める始末。
そんな修羅場と化しつつある宴会場で、斎藤ははっと自分が咄嗟に広げたものに視線が向く。
どう考えても女物のバッグ…誰もが知っているブランド。
そこから連想させるのは、過去に花崎から聞いたことがあるこの世界で女が、若い女が張り合っていく為に大事なこと。
それは当然枕でも、媚びを売ることでも、色目を使うことでもない。
花崎自身が培ってきたもの、そのものだった。
「こ…これ…先輩の…。
俺…、なんてこと…俺…。」
深く目尻に涙を溜めているのは斎藤の方だった。
苦しみ、嘔吐を繰り返す花崎を助けるどころか、プライドの塊、大事な生き様のようなものを咄嗟のこととはいえ、汚してしまった。
汚させてしまった。
自分の所為で先輩が苦しんでいる。
かばって恥ずかしい目に合っている。
挙句私物までどろどろに汚させてしまった。
ここまでの状況がぐるぐると斎藤の脳内を駆け回る。
そして、次の瞬間…
「オェッ、おぇっ…おぇぇ…。」
飲んでいるとはいえ、斎藤の摂取したアルコールは少量。
目の前の花崎の状況…、原因…、何よりこの匂いが斎藤に限界をもたらしていた。
混乱の最中…、大事なのは先輩の私物か…それとも店内の美化か…。
判断など反射的に行われるべきその瞬間で、気づけば花崎の高級バッグの中で、先輩と後輩の嘔吐物が混ざり合っていた。
「おいおい、こいつ大丈夫かよ…。仲が良いっつったって、さすがに一緒にゲロはねぇわ。ウケるんだが…。」
呆れ笑いの筋山。
額を手で覆い、まるでみてられないとばかりにあざ笑う。
大ジョッキにはまだ半分ほどの小便が残ったまま。
「やべぇぜ、こいつら…。いくら何でもゲロでセックスしたらダメだろ、なぁ?」
パン、と斎藤の背を叩く筋山。
そのままバランスを崩せば、既にフラフラの花崎に凭れかかるような形に。
汗ばみ、嘔吐物に塗れ、アンモニア臭漂う…しかし全裸の花崎に。
「せ、んぱい…すいませ、ん…。」
小便ジョッキを抱える花崎…、ゲロ塗れのバッグを抱える斎藤。
もはや目も当てられないこの状況…、にやつく上司たち。
誰も…誰一人として、制止の声をかけるものなどいない。
【いえ、話が逸れるのも大歓迎。
というか、【】の枠ではむしろそう言うお話で貴女のことを知りたいというのもありますので、ぜひぜひお願いいたします。
今回は時間がほとんど経過しない感じになってしまいました。
もしかしたら期待していない展開を描いているかもしれません。
そこは申し訳ありません。
私物レイプ…癖…素敵ですね…。
ただ、イメ初の私物レイプが鞄ゲロなのは…、何でしょうね。
初めてのオナニーがアナルだった、くらいの衝撃はありますが…。
もっといろいろ教えてくださいね。】
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