「いいから、ね?大丈夫だから…。」
斎藤が困っている。
そう見えたら、助けずにはいられない。
標的にされた花崎と斎藤は、もはや本当にこの尿を飲むまで許されず、最終的には強制的に飲まされるだろう。
なら、斎藤を巻き込むわけにはいかない。
斎藤を怖がらせないように、緊張を解くように、努めていつもの笑顔で、それでも引き攣った顔で、斎藤を見上げる。
「ぅ、うるさい…っ、です…っ、斎藤くんに、飲ませるわけに、行かないから、ぁっ!」
斎藤がジョッキを手に持ったまま、どうするか思案に暮れている中、汗本や禿田が全裸の花崎を囲い込む。
ネチネチと粘ついたようなセクハラを続ける。
羞恥によって、少し落ち着きを取り戻したとは言え、感情のスイッチが激しい。
自分でも思った以上に大きな声を出してしまい、肺が膨らんだ勢いで目の前がぐにゃりと歪む。
自分で思っている以上に、身体はアラートを発し続けていた。
「っ、は…っ、はぁ…っ?そんなこと、あるわけ…っ」
(少し気持ちよかった、なんて、巻き込んだ斎藤くんに申し訳ないどころじゃ…。…っ、何こいつら、勃起して隠しもしないで…っ、どっちが変態よ…っ)
斎藤のフェザータッチとも思える柔らかな手つき。元々ほとんどしない自慰も、ここ最近は残業続きで、最後にしたのはいつだろうか。ご無沙汰だった身体に、アルコールでバカになった脳。あんな場面でも感じてしまうのは、多少仕方なかった。
先ほどのティッシュ拭きのことを言われると、途端に目が泳ぎ、俯き気味に黙り込む。
こんな分かりやすいタイプではなかったはずだが、アルコールがIQを下げ続けている。
まだ覚悟が決まらない斎藤からジョッキを奪い取り、ずっしりと重いソレを両手で抱え込む。
「…ぉえ゛っ、…ぅ、ぅ…っ」
(くっさ…っ!?何これ、本当に私の…?いつもこんなんじゃ…。)
自分で持つと、あまりの臭いに胃液が込み上げる。
短期間に多量のアルコール摂取により、より濃厚になった小便。膀胱でろ過しきれなかったアルコール成分が多量に入り込んでおり、もはや一種のカクテルですらある。
周りは一気に囃し立て、もはや飲みサーの悪ノリのよう。
ただし、飲むのは小便だが。
チラッと斎藤を見上げる。不安そうに、心配そうに花崎を見つめる複雑な表情。また、優しく微笑み、ジョッキに口をつけた。
斎藤のスラックスが膨らんで張っていることには、ささやかな変化であり、気が付かなかった。
「…っ、ごきゅっ、ごくっ!ごくっ!ごくっ!」
(不味い苦い臭い気持ち悪いっ!!吐くっ、絶対吐く…っ!!)
ジョッキに口をつけた瞬間、より強烈な臭いに襲われる。
口内に黄金水が入り込むが、海水を思わせる塩味、舌がピリつくような、人体に害を思わせる苦味、濃厚で不快感抜群のアンモニア臭。
せめて口内に少しでも残らず、舌に触れないように、喉だけで飲み込もうとするが、大袈裟なほどに喉が鳴り、豪快な飲みっぷりに見えてしまう。
「花崎お前本当変態だなっ!」
「営業よりAV女優の方が天職だろっ、そっちでもランキング一位かあ?」
「飲尿専門AV女優の花崎瑞樹さん、おしっこ美味しい〜?」
必死に吐き気と戦っている花崎を嘲笑い、見せ物として扱う面々。
花崎は一気に飲んでしまうつもりだったが、想像以上の量・味、臭いに負け、テーブルにジョッキを置いて、休んでしまう。
「…っ、ぶはぁっ!?ぁっ、ゲェッ、ゲ…ッ、ぅぷ…っ」
あんなに赤くなってた顔が青白くなっている。
小便くさい息で激しく呼吸し、小さいゲップのようなものを繰り返している。
花崎はもはや限界が近かったが、ジョッキはあと残り半分ほど。
「おい、白けるわー、花崎。」
「自分で飲みたいって言ったんだろ?自分勝手なやつだな」
「女って気分屋だからな、仕方ねえよ。…じゃあ、オイ、斎藤っ!お前が責任持ってソレ片付けろ、さっきから臭えんだよっ!」
花崎の周りをチョロチョロしている新人。
花崎を良く思わない者たちからの評価はその程度で、筋山の他の社員も、酒のせいもあってか斎藤に当たりが強い。
危険な呼吸を繰り返している花崎を見かねて、テーブルに置かれたジョッキを取ろうとするが、花崎は勢いよく、再び飲み始めた。
「っ、…っ、ごくっ、ごくっ、…ごくっ!」
(こんな、もの、斎藤くんに飲ませるわけ…っ、にいかなっ、いっ!ぁ、筋山…ぁっ、覚えて、なさい…っ、こんな、ことしてタダで…っ、ぁ、ぇ?なんで、スマホ向けて…?)
小顔である花崎の顔よりも大きなジョッキを両手に抱え、飲尿に至った元凶とも言える、筋山を睨みつける。
…が、その筋山はスマホをこちらに向け、確実に撮影している。
気がついた時には、ジョッキの中身を全て体内に戻す数秒前だった。
ダァンッ!!と勢いよくテーブルに空のジョッキを叩きつける。
「ゲェェプッ!!」
大きな口を開け、低い声を漏らし、大きなゲップをする。
下品な行為に社員たちは大盛り上がりだが、真っ白な顔で、さっきまでダラダラだった汗が引いた、様子の花崎は焦点が合ってない。
「はぁっ、はぁ…っ、ぅぷっ、ゲェッ、げぇっ、ぇっ、げっ、ぷっ」
テーブルに手をつき、俯いて小刻みにゲップをする。
肩が大きく上下するほど大袈裟な呼吸。
アルコールが度を超えた時の吐く予兆。
花崎は健気に両手を口で覆うが、もうトイレには間に合いっこない。
筋山は学生時代の体育会系の飲み会などで吐く後輩どもを何人も見てきた。
花崎がもう吐くことを察し、近くに立つ斎藤に何かを投げつける。
「吐くなら迷惑をかけないところにしろっ!斎藤っ!花崎に店を汚させるな!」
斎藤に怒鳴りつけ、驚いた斎藤は渡されたものをきちんと見ることなく、広げて俯く花崎の顔の下に差し出す。
それと花崎の口から胃液が逆流するのはほとんど同時だった。
「オェェエッ!!げぇっ、ぉえっ、オェェエ゛ッ!!」
びちゃびちゃと吐瀉物が吐き出される。
固形物は少なく、今たっぷり飲み込んだおしっこと酒、酒、酒。
胃液特有の酸っぱい臭いより、アンモニア臭やアルコール臭が勝る、異常な吐瀉物。
花崎の嘔吐が止まらず、心配そうに見つめる中で、ようやく手に持つソレがなんなのか視界に入った。
「私はさあ、若いし、女だからさ、舐められることが多いのね。だから、鞄とか腕時計、スーツなんかはハイブランドの良いものにするようにしてあるんだ。営業って、如何に虚栄を見せるかだからね、若いうちはそういうハッタリも大事だからねっ?」
営業の時、花崎がそう話していたのをふと思い出す。
花崎が吐く場所として斎藤が広げているのは、筋山が投げつけて渡してきたのは、花崎のカバンだった。
【お疲れ様です。お酒を飲むのは好きですが、外ではあまり飲まないようにしています。そのため、お返事を読み返す時とかは、お酒を飲んで楽しませていただいてます。そういう時は自慰に発展しないまでも、手持ち無沙汰な感じで股間を弄ってしまってます。
すみません、話が逸れましたね。
ヤジ描写の許可ありがとうございます。
これからも言われたいこと、思われたいこと、どんどん社員さんに言ってもらいますね。
私の中で、私物を汚されたい、という性癖があったりします。普段使っている財布やスーツで射精後のおちんちんを拭かれたり、下着や靴下に直に射精されたり…、こういうのはなんというのでしょうかね。私物レイプ…?
すみませんが、今回のレスで勝手に出してしまいました…。】
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