「すみま…せ…っ、ん…っ」
ネチネチとした口調で花崎を詰る禿田。
目の前で花崎が吹いてしまったジントニック入りのお猪口を舐るように口にし、ニヤニヤと見つめる。
普段なら睨み返したりする花崎だが、もはやそんな余裕もなく、俯き気味に小さく謝罪の言葉を口にする。
(私の唾液…入り…、気持ち悪…、い…。)
思考が定まらず、頭がぐわんぐわんと揺れる。
生理的な気持ち悪さと身体の気持ち悪さが混ざり合い、強い吐き気に繋がる。
いつもとは異なる弱った様子に、禿田や汗本たちのボルテージも上がり始めた。
追い込みをかけるように、ネチネチと口撃を始める。
じっと耐えるように俯いて、黙りこくっていたが、斎藤が意を決して声を上げた瞬間、顔を上げた。
顔は真っ赤で、目は潤んで艶やか。
どう見ても正常な様子ではないが、斎藤の目をしっかりと見つめた。
「ダ、ダメ…。わ、たしが、飲む、から…。」
(もう飲めな…、い…。脱ぐ…?何が、私…?でも、斎藤くん、巻き込めない…。)
はっきりとしたセクハラ発言。
普段の花崎なら机を叩き、大声で怒りを露わにしたかもしれない。
しかし、今はもうアルコールにやられ、まともな思考すりできない。
斎藤の花崎に縋るような、助けを求めるような目つき。
本人はそう思ってないとしても、心のどこかで花崎を頼る斎藤の態度。
これらが花崎の正義感、責任感に薪をくべる。
花崎は理想の先輩だったかもしれないが、一つ失敗があったとすれば、付きっきりで、一から最後まで斎藤の面倒を見ていたこと。
斎藤に重大なことを決定させる経験を積ませてこなかった。
お猪口をゆっくり手にとり、口元に運ぶ。
心では「飲んでやる」という気持ちでも、アルコール許容量を明らかに超えている身体はそれを拒む。
口元まで運んでから、10秒以上躊躇い、ようやく口をつけた。
(あ…、も、う無理…、本当に無理…。し、んじゃう…。斎藤くん…に…。い、や、それは…。)
度数の強い日本酒を飲み、お猪口を手に持ったまま、俯いて、肩で息をする。
もう限界、これ以上はもう飲めない。
でも、斎藤に責任を負わせ、罰の対象にはさせられない。
そうなれば提示されている選択肢はただ一つ。
最悪の最低な選択肢だが、今の花崎にとっては垂らされた蜘蛛の糸に見えた。
「…、ぁ、はぁっ、はぁっ、ぁっ、脱ぎ…ます、からっ、もう、のめ…っ、せ…ん…っ。お酒、もう嫌ぁ…っ」
呼吸が荒く、まるでマラソン後のよう。
「脱ぐ」と宣言した瞬間、部屋にどよめきが広がった。
通常ならありえないことだが、もうお酒を飲まなくていいなら、服を脱いだっていい、そんな思考にさえなっていた。
ブラウスのボタンを一つ一つ、震える指で外していく。
ブラウスがはだけると、ブラ紐に見えていたのはベージュのインナーであることがわかった。
男性はすぐに胸を見てくる。それはここの社員だけでなく、街ゆく人々、男性であれば皆。
男性を信じていない象徴でもあった。
「脱ぎ、ました…。」
ベージュのインナーの他、肩には黒いブラ紐が今度こそ見えている。
肌はやはり真っ赤に染まっており、全身が汗ばんで、激しい呼吸で大きな胸が上下に揺れている。
男性臭い部屋に、若い女性の汗の甘酸っぱい香り、バニラエッセンスの甘い香水の香りが広がる。
【そう言っていただけると嬉しいです。
そして、早速甘えてしまうのですが、小スカに関してはどこまで可能でしょうか?】
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