「いい、良いねぇ…花崎…想像以上に頑張ってくれるじゃないか…。」
普段からの無理難題も、苦戦はしてもなんとか突破して見せる花崎の鼻を明かしたいと考えている男も少なくはない。
無論、禿田や汗本に限っては、只の下衆。
より痴態、辱めを期待しているのは言うまでもない。
砂漠の中でオアシスを求めるように、グラスに注がれた透明な液体に救いを求めた花崎。
しかし結果は最悪も最悪。
日本酒ほどではないにしても、立派な酒。
それを対してアルコールに免疫もない物が不用意に口にすれば、毒以外の何物でもない。
「それにしても盛大に噴出したなぁ…花崎…。
ほら見ろ…、この辺の日本酒は…ぜ…んぶ、お前の噴出したジントニックが降り注いだぞ…?」
にやつきながら一つのお猪口を手に取る禿田。
それも漏れなく、花崎が噴出したジントニックがある程度は降り注いだもの。
そんな様子を見ながら、舌なめずりする汗本…、花崎の心中を察しているのか珍しく上機嫌の筋山もその視線を外さない。
「ん…ふぅ…。
ほれ…、1杯は私が処理してやったぞ…?
花崎のジントニック入り日本酒だ…ふはははっ…。」
吐しゃ物…とまではいわないものの、周囲のお猪口をまとめて汚す形となった花崎に追い打ちをかける所業。
焦点が定まりづらくなってきていることを理解しているのか、禿田の指先は花崎の反応を確認するように腰のあたりからそれとなく尻を撫で始めている。
そしてその視線は、緊張…不安…回った酒の影響で汗ばむ花崎の胸元。
「それにしてもこれだけの日本酒をダメにしたんだ…。
さすがにお咎めなしとはいかないなぁ…、汗本…そう思わんか?」
強制的に遅刻させ…、謝罪させ…逃げられない強制飲酒…の流れ…、全ては男どもの卑劣な罠。
そして鶴の一声のように禿田がそうつぶやくと、待ってましたと言わんばかりに、
「おっしゃる通りです部長。
お猪口数個分とはいえ、会社の経費で特別に飲めている物に変わりありませんからな。
相応の罰…を受けるべきかと…。」
互いに示し合わせたようににやつく下劣な男。
しかしここでもまた邪魔をするのが…この男。
「ば、罰なら俺が受けますよっ。せん…ぱいばっかり辛いのはおかしいですっ。」
斎藤だ。
恥ずかしげもなく身体を震わせながら、そんなことを言い出す。
放っておけるはずもない、そんな関係性が出来上がっていることを本人以上に周囲が理解していた。
それを含めての利用…、もちろんそんなことを知る由もない。
「ほぉ…、じゃあここにあるお猪口…。
お前が全てからにして見せろ…斎藤…、それができなかったら…花崎には…この場で…脱いで…謝罪してもらう…。」
脱いで謝罪してもらう。
初めて聞こえる明確な花崎へのセクハラ発言。
しかし咎めるどころか、どよめく宴会場。
「ぬ…脱ぐ…って、そ、そんな…。」
そんな言葉に一人動揺の色が隠せない斎藤。
しかし、その視線は確実に数回花崎の身体の方に流れた。
「それとも花崎…お前が全部飲むか…?
別に、今脱いで謝罪してくれてもいいがな…?
大事な日本酒を私のジントニックで汚してごめんなさい…と…。」
何を脱ぐ、どこまで脱ぐ、と言わないところがさらにあくどい。
まるでジントニックというドリンク名まで下ネタのように使って笑い合うあたりが、下衆を通り越して惨めさすら感じさせる中年達。
しかし、そんな余裕はもはやない。
強気で罰を受けると言い放った斎藤。
しかし、次の瞬間には花崎に助けを求めてしまういつもの視線。
「俺の…せいで…先輩が…。」
ぼそぼそと俯きながらつぶやく斎藤はどこか前かがみに座りなおすようにも見えて。
【ありがとうございます。
気に入って頂けたら嬉しいです。
理想はやはり貴女が濡れる事。
その為に使えるキャラを使える形で回していきたい。
そう言う意味で各キャラ魅力を出していきたいと思いますので、引き続きリクエスト、修正、追記はいくらでもください。
互いが互いのいいおかずになると、いいですね。】
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