(一昨日は酔った勢いで、ちょっとやり過ぎてしまったな。
セクハラ発言だけならまだしも、狭い状況を利用して足を入れて景子の脚を拡げさせたのは、さすがにあからさま過ぎたな。)
一輝はこれまで自分の体臭を気にして、景子とはある程度の距離を保って接して来た。
当然景子の肌に触れる様な事は一切していない。
もちろん世間一般的に姑が息子の嫁の肌に触れる様なスキンシップは御法度で、決してやってはいけないセクハラ行為である。
一輝もこれまで、その辺には充分気を遣って来ている。
(いくら普通にしていても脚が触れ合う状況だったとはいえ、景子の両脚の間にオレの足を入れて開かせるのは強引過ぎたな。
今日も景子が実家に来てくれたのは幸いだった。
これからは気を付けよう。)
一昨日の一件で、景子はもう実家に来ないのでは無いか、と危惧した一輝。
だが昨日の一馬とのデートで気分が晴れたのか、一輝の予想に反して景子は今日もお見舞い帰りに実家に寄ってくれている。
(景子が会社から戻り病院に向かって自宅を出たのが17時半過ぎ、その後直接ここまで車を走らせている。
今の所何処かに寄って男と逢っている様子は無いな。
やはり男と逢引きするならウチを出た後が本命か。)
一輝はiPadを使って、GPSで景子の車の位置を絶えずチェックしている。
一昨日の様な一輝からのセクハラ行為も一切無く、今日はストレスを感じる事無く平穏な時間を過ごす景子。
だが景子がもう帰ろうとするその時、状況が一変する。
「ああ、明日はゴミの日か……。
景子ちゃん、済まないがゴミを裏口のポリバケツに入れておいてくれないか。」
そう言われて景子が一輝の目の前でキッチンのゴミ箱を開けた時、景子は強烈な腐敗臭に襲われる。
(………ん?どうしたんだ?
景子のヤツ、ゴミ箱の前で急にしゃがみ込んで動かなくなったぞ。
まさか……発作か?
い、いや……苦しそうな感じでは無いな。
むしろどこか……艶っぽい表情だ。)
「景子ちゃん……大丈夫?」
突然の異変に驚いた一輝は、生ゴミの前で固まる景子に恐る恐る声をかける。
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