俯き耳朶を紅く染める陽子の仕草に、痴漢されているだろう事は理解できた。
しかしその相手がサイトで募った者なのか、偶然居合わせて大人しそうな陽子に目をつけたのか…それは判断できなかった。
『いったい何をされているんだ…!?ここからじゃ…何も見えない…。』
ムラムラと湧き上がる欲望と、何事も確認できないもどかしさが俊幸を更に淫らな気持ちに誘い込む。
『手を時折キュッと握る仕草…間違いない…痴漢されているんだ…。』
電車の揺れとは違う飛び跳ねるような動きも、際どい所を大胆に弄られているだろうことも理解できた。
しかし…状況が…陽子が何をされているのか…。
昨日のハプニングバーでのことは、詳細にひとつひとつ目にすることができた。
なのに今は…何もわからない…。
『陽子…。』
何もできない、何もわからないままに不意に止まった電車の中で、卑劣な痴漢行為は続いているのだろう…。
もしかしたら…俊幸の書き込みによって災いを呼び込んでしまったかもしれない後悔を感じながらも、目の前の痴漢行為に感じまいと抗う姿だけが俊幸を加速度的に昂らせていく…。
『ふふふっ…。ストッキング越しにもハッキリとわかるぜ…。この女…完全に濡らしてやがる…。
あの書き込みがホントならば…この目の前にいるのが旦那…。
訴えるつもりなら簡単に訴えらレるだろうに…。
されるがままとは…この女も相当な好き者って事か…。』
電車の停車と共に痴漢行為は加速していく。
予告の書き込みを読んでいたなら、私達夫婦が次の駅で下車することはわかっているのだろう。
ここぞとばかりにストッキングの胯間を破く指先。
その動きに呼応するかのように陽子の身体が震え上がる。
『いったい…何を…陽子は何をされているんだ…。』
その時、ストッキングが破られ、パンティの中に無骨な指先の侵入を許してしまっているとは考える余裕も無かった…。
『ほぉら…やっぱりだ…。ストッキングにまで浸み出すほどだからな…本体は…こんなに…。
へっへっへっ…こんなに簡単に…指先の侵入を許すとはな…。まだまだ…奥から溢れてくるみたいじゃないか…。』
割れ目を擦る指先に伝わるヌルヌルとした感触に気を良くした痴漢の指は、お望み通りにと言わんばかりに容赦なく深く淫らな穴の中に挿し込まれていく…。
『ホントならな…この硬い肉棒を挿してやりたいところだけどな…さすがに電車の中では…今日は少し混み過ぎだ…身動きも何もできやしない…。』
辛うじて陽子を捉えた指先の責めを与え続ける痴漢の指先。いつの間にか動き出していた電車は目的の駅に辿り着いた。
開かれた扉から流れ出すような人の波に逆らわぬようにホームに下り立つ…。
「んっ…?あっ…あぁ…行っておいで…。ここで待ってるから…。」
暫く待つと姿を消したトイレから戻ってくる陽子。
そのやけにテンションが高い雰囲気に違和感を覚えた。
『いくら買い物だって言ったって…少しはしゃぎすぎじゃないか…?』
何かを誤魔化そうとしているのか…明らかに長いと思われたトイレ…。
その中で何が行われていたのか…。
『痴漢に翻弄されて…疼いた身体が…まさかオナニーなんて事は…。
まさか陽子がそんな事を…。駅のトイレでオナニーなんて事…。』
一瞬、昨夜の自宅のトイレで自慰行為に及ぶ姿を重ね見たものの、それを冷静な考えが打ち消した…。
「さぁ…行こうか…。」
テンションの高い陽子を連れだって歩く。ヒラヒラと揺れる無防備な短さのスカートの中がどんな事になっているのか…想像するだけで興奮が高まる。
意志とは裏腹に股間が膨らんでいく感覚まで…。
『こんな時に勃起なんて…気づかれたら…。』
心持ち身体を前のめりに倒しながら、股間の膨らみを目立たないように心掛けながら暫く歩くと目的のショッピングモールに着いた…。
「さぁ…着いたよ…。何が欲しいんだっけ…?今日は何でもおねだりして構わないよ…?」
優しく微笑み陽子を見つめる俊幸。キラキラと輝くような瞳で笑みを浮かべる陽子を心の底から可愛らしいと思いながら…。
『普段はこんなに少女のような純真さが垣間見えるのに…。』
ハプニングバーでのこと…電車の中での痴漢行為のこと…。淫らな陽子を想像してしまう欲望を恨めしくも思いながら、陽子に手を引かれてショッピングモールを散策する。
「靴が欲しいって…言ってたよね…?」
とある靴店の前で足を止める。
店先には安目の靴が並び、店の奥には高そうなブランド品が並ぶ。
そして店頭には、≪シューフィッター在籍店≫と張り紙がされていた。
「ここなら色々と相談できるんじゃないか…?」
何気なく発した言葉だった…。
まさか男性店員にスカートの奥を覗き込まれてしまうことになろうとは考えてもみなかった…。
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