(はぁ…メイちゃんの借金に中国人に買い取られる金を合わせて一億以上か…)
「ソナ」で聞いた身請けの話…メイの借金の3千万円だけなら、もしかしたらと一瞬考えたものの、結局メイを助けるには今の自分ではどうすることもできない金が必要だと分かった。
まだ2度しか会っていない奴隷娼館で働く少女…素性どころか彼女自身のことなどほとんど知らない…話からすればかなり酷い扱いを受けていることだけは確かだが…
そんなメイをなんとか助けてやりたい…そう思ってしまうのは何故だろう…
キズだらけで痛々しいメイの顔が浮かぶ…大した話ではないにも関わらず真剣に話を聞いて笑って怒って悲しんでくれる…
こんな子に出会ったのは28年間で初めてだったかもしれない…
(なんとかしてあげたいけど…今の俺じゃあな…はぁ~)
「ソナ」からの帰り道…吉田は深いため息をついた…
(やっと明日…給料日だ…)
メイとの時間を延長してから2週間が経つ…月半ばでのあの出費はかなり痛く、この2週間は節約しまくり…ようやく給料日となりホッと胸をなでおろした。
と言って出費を覚悟でじを延長したことを悔やんではいない…むしろ楽しかった時間として感じていた。
ただメイを助けてあげられないという現実だけが重くのしかかっていた。
(今日はシュークリームでも買っていってあげようかな…喜んでくれるかな…)
助けてやれないまでも、ほんの一時でもメイにとって楽しい時になればと思うしかない…
「今日もメイをご指名ですか?時間は?はい…180分ですね…存分にお楽しみください…」
「ソナ」の受付で顔を覚えられたのか、嬢の指名をする前にそう言われた。
「ごめんね…なかなか来られなくて…」
部屋に通されて暫くするとメイが駆け込むように姿をみせた…前回
目に巻かれた包帯は既になくホッまととしたものの指の包帯はそのまま…まだ剥がされた爪は元通りにはなっていないことが分かった。
「今日ははじめから時間いっぱい頼んだから…」
メイをソファーに座るよう促すが、座る時、一瞬顔をしかめるメイに気づいた。
「どうしたの?何処か痛いの?もしかして腰とか…お尻…とか…?」
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