ブォー… サァーッ!
中心街からやや外れた交差点。
梅雨明けか、外は劇的な快晴に変わり、車や軽トラックのエンジン音に煽られる様に、一気に蒸し暑い空気が漂い始めていた。
信号は赤に変わり、やむを得なく信号待ちになった一人の男性。
「ハアッハアッハアッ!…ああ~ダメだったぁ~間に合わなかったぁ~…」
勢い良く立ち止まり、息を切らした声が聞こえる。
「もう~お父さん話長いんだから…心配しすぎ!もう高校生なんだから…大丈夫だって…」
登校中の女子高生。
どうやら父と一悶着あり遅れている様だ。
独り言で愚痴っている。
心配性な父らしい。愚痴りながらも愛情はどこか感じさせる。なんだかんだで仲睦まじい親子なのだろう。
「…康介…おじさん?…」
前へ向き直した貴方の名前を何故か口にするその子…
「あ!やっぱりそうだ!康介おじさんだ(笑)久しぶりだね!?うん、陽!」
なんと友達の娘だった。
しかも彼女が小さな頃から顔見知りで、これまで何度も交流がある程の関係。
陽の父、直紀とは大学時代からの友人関係だった。
「一年以上ぶりかな?お父さんの仕事や高校受験が重なってお食事会やってなかったね。
うん!志望校合格したんだ(笑)ほらっ、新しい制服~」
以前は館花家と交流のあった貴方。色々な事が重なり疎遠になっていた。どうやら陽は第一志望の進学校へ合格した様だ。あどけなく制服を見せつけている。
白カッターシャツを押し上げる様な胸の膨らみ… 少し膨らんだ程度だったものが大幅に大きくなっている。明らかにワンサイズ以上の変わり様。
そしてスカート裾から覗く健康的な太腿… すらっと伸びた手足…
何よりも綺麗なその顔立ち…
なんて発育だろう。
「あ、私行かなきゃ!
ばいば~い!」
再開も束の間、陽は小走りで一人走って行ってしまった…
あっけらかんとした別れ際。陽にとって大した出来事ではなかったのだろう…
boom!…
AM9:50
貴方のスマホへ着信が入る。
館花 陽
『今朝はびっくりしたよ(笑)ホント久しぶりだったから。
全然話せなかったからLINE送っちゃった。仕事中はやっぱ迷惑?』
【大変遅くなり申し訳ありません。
書き出してみました。
赤坂さんは別居中でマンションの一室に住んでいて、父とは同じ会社で部署違い(棟をいくつか挟んだ距離)という設定にしませんか?】
※元投稿はこちら >>