「ま、まぁね…。というか、特にやることもないからさ。
週末なんて、出かける予定もなければ遊びに来る友達だっていない。
片付けくらいしかすることがないんだよ。」
思った以上に近い距離に戻ってくる陽。
何食わぬ顔、先ほどの出来事に何をおもったのかも不明。
そのせいで男は少し饒舌になっていた。
「あ、あぁ…別に構わない。お安い御用ってやつさ。
誰にだって、人には言えない欲求、欲望…みたいなものはあって普通だろ…?」
偶然。
歯を磨いてもらう行為を、陽の欲求だという表現をしてしまう。
些細なことなのかもしれない。
しかし、それは陽にとっての、性的な欲求への端掛け、きっかけになるのかもしれない。
男が女の子の胸に触りたいという気持ちで、雑に接近していくように。
陽にとっての入り口なのかもしれない。
まだ残っている、両手の指先、あの柔らかい膨らみ。
堪能してしまった、友人の娘のこの胸を。
ちらっと視線がその膨らみに向けられる。
生唾を飲み、見つめてしまう。
「また…かい…?構わないが…、陽ちゃん…本当に歯磨きが気持ちいいのかな…?
その感じだと…、歯磨きというより、口の中をくちゅくちゅって…されるのが好きなんじゃないかなって、思うよね…。
そして歯磨き粉…泡立って、どろっとして…ちょっとネバッとして…。
ヨーグルトだって思って口にしても、結局美味しい物じゃないって気づいた。
でも、やっぱり求めてる。
陽ちゃんの口の中が…欲しがってるんじゃない…?
確かめてみないか…?歯磨きを求めているのか…口の中が気持ちいいってことなのか…、別の物を入れたりしてさ…。
もちろん、お父さんには内緒だけどね…?」
自分でも軽はずみだと思った。
しかし、赤裸々に心中を告白するような陽の言葉に乗せられるように、男は率直に思ったことを口にしていた。
【ちょっと強引ですが、そう言う方向性で描いています。
日常から徐々に非日常に寄せていくのは少し時間がかかりますが、それでもよければ徐々に、というイメージですね。
きっかけという物がいかに重要か、考えてしまいますね。】
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