「…。」
気づいたのか…でも何も…、気にしてないだけ…?
違和感すら感じなかった…?
男の葛藤はもっともだった。
なぜなら男の普段使いは既に結構な期間が経っている。
控えめに言ってもそれが新品かそれ同様の物には見えないのだ。
しかし視線は確実に動いた。
確認したわけじゃなかったのか、別のをモノを見ただけなのか。
少しのざわつきを感じながらも、黙って歯磨きを受け入れる陽に少し焦りを感じる。
いずれにしても受け入れた。
衛生面はもちろん問題ない、丁寧に洗い流している。
普段使い…というだけであって、何かやましいものが付着しているわけでもない。
しかし、同じバスタオルを使うような…いやそれ以上に口の中に挿入する物を共有するなど、普通はありえない。
その普通じゃない状況に、陽の後頭部が触れる股間が不意に頭を上げそうになる。
「っと…一度少し落ち着こうか…。
濯ぐかい…?そのまま飲んじゃっても大丈夫だよ…?」
飲み込むことへの促し、しかし前提は一般的な行動から。
あくまで選択肢にちらつかせて能動的に行動させることに意味がある。
「起き上がるのが面倒なら…飲んじゃえば…?」
と、追い打ちをプラスして。
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