「そ、そうか…。
ごめんね、変なこと聞いたな、ははっ。」
陽の父親への言い訳の確認。
もちろんそんなに大した理由をつけてわざわざ出向いているとは思っていなかった。
しかし、エレベーターでの会話。
やはり年頃の娘のこととなれば父親は気になるに決まっている。
それに男関係の話も気にはしていた。
ある程度の心積り、いや、勘づかれる可能性をゼロに近づける方法は考えておかないといけないと考えてしまう。
そんな当然の背徳感、罪悪感を感じる男の心を知ってか知らずか、本題を口にする陽。
やはり、あの話は本気だったのか。
鼓動が高なるのを感じつつ、それが男としての興奮だということもまた事実だった。
「そ、そうだね。そのために来たんだもんな。歯磨き、しようか。ちゃんと準備しておいたよ。」
洗面所に向かい、再びリビングに戻ってくる手には歯ブラシと歯磨き粉。
「これ、覚えているかい…?
小さい時の陽ちゃんは、口をゆすぐのが苦手で歯磨き粉、全部飲み込んじゃってただろ…?
だからその時は間違って飲み込んでも大丈夫なやつを使ってたじゃない?
全く同じものを見つけたから、思わず買っちゃったよ…。
今はもう口をゆすいだり出来ると思うけど…、間違って飲み込んでも…大丈夫だからな?」
笑いながら、そんな思い出話。
そして、
「歯ブラシは持ってきているかい?持ってきてないなら、それも一応準備してるけど…。」
手に持っているのは開封済みの歯ブラシ。
目の前で新品の封を切って見せた訳でもない歯ブラシ。
パッと見ただけでは、本当に新品なのかもわからない。
もしかしたら、男が普段使っているもの、の可能性も否定できない。
一変して生々しい感情が、陽の警戒心を探るように色んな角度から、状況を楽しむための探りを入れていく。
「さ、ソファの上に仰向けに…、あの時みたいに目を瞑って口をあけてくれるかい…?
それとも、俺の足の上の方がいいかな?」
胡座をかく男の足の上に頭を置いて、口の中を晒す。
幼い少女ならわかる、歯磨とはそういうもの。
しかし目の前にいるのはもう大人手前の女の子。
口内を無防備に晒すのは、まるで裸でも晒すようなもの。
羞恥、非現実的な行為を、如何に陽は望んでいるのか。
【頻度は気にしないでくださいね。
更新されれば見てればお返事はします。
ただ、もう来れない、ということがあればその旨お教えいただくか、スレを消していただけると分かるのでお願い出来ればと思います。
歯磨き粉の件、承知しました。
イメージ通りかどうか分かりませんが、進めていきますね。】
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