偶然の再会。
陽は、大学時代の友人の娘に当たる女の子。
友人とは言え、特別仲が良いというわけではなかったが、それが逆に良い距離感を保つことにつながり、陽が生まれた時も、もちろん少しずつ成長していく過程も時折目にはしていた。
1年ほどぶりだろうか。
急に声をかけられて驚きが隠せない。
年頃の女の子というのは少し会わないだけでこんなにも成長する物か、と。
すぐに陽だとわかった…というよりも、年頃の女の子で声をかけてくるような子は陽くらいしかいないから、という消去法でもあった。
「そうか…もうそんな歳か…。」
交差点での会話はほんの数往復。
陽達が急いでいたこともあり、会話らしい会話もなく、あいさつ程度でその場を終えていた。
「ん…?」
普段からあまりなることのないスマホに通知。
陽だった。
冗談半分で交換したID。
数回程度やり取りはしたものの、話題もなくしばらくは連絡が来ることもなかったが、再会がよほど驚きだったようだ。
『そうだね、陽ちゃん。
しばらく見ないうちに大人っぽくなって…正直気が付かなかったよ。
直ぐに名前を言ってくれなきゃ、戸惑いながら話すところだった。
それにしても1年って、こんなに変わるんだなって…思わず見とれちゃったね。
いやぁ…俺もおじさんになってるってことかな…?
特に迷惑とかはないよ?
どのみち、返せるときにしか返せないしね。
会社はそんなにスマホを触ることにもうるさくないから。
気にせずいつでも送ってくれて大丈夫。
お父さんも返事は早いんじゃないかな?』
いつでも、とはいったが、どうせそんなに続くわけもないと高をくくっていた。
しかしながら目に焼き付いていたのはその容姿。
発育も十分というほどに育っていた。
正直な感想を述べつつも、ごまかすように話題を変えて返事を。
【お気になさらず。
希望や気になる点は随時仰ってください。
加筆修正はしていきますので。】
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