馬車内の王女フアナと修道女ルチアの様子を見て呆然として動けずにいる勇者メルヒス。
後ろにいた参謀ヨハンセンが変わりに、
「王女様、修道女殿は先程の事があって、混乱なさって救いを求めておられるのでしょう。何卒修道女様を許してあげてください。このヨハンセン伏してお願いいたします。ほら、修道女殿も。」
ヨハンセンに促されてルチアも、膝をつきフアナに頭を下げ、
「王女様、私がどうかしておりました。お許しくださいませ。(なぜ私が謝らなくちゃいけないの?なぜ私は心にもないことを…)このお仕置きは何なりとお申し付けください。(私は何を…口に……あれっ頭の中が霞がかかったように…)」
ルチアの目が一瞬生気が無くなり、直ぐに元の状態に戻る、それを見逃さないヨハンセン。
そのヨハンセンの言葉を耳にして、正気に戻るハンメル。
「(やばい…危うく硬くするところだった…しかし、女同士の絡みとはなかなかに見ごたえがあるものだな…おっといかん、私は仮にも勇者、こんな事では国の守りなぞ…)」
「(このルチアとかいう修道女、リリスの催眠術に完全に落ちたな。)修道女殿もこう申しておりMすゆえ、王女様何卒お許しを。」
〘麗しの君、聞こえるか?リリスとかいうサキュバスなかなかやるな(笑)おかげで、メルヒスの性癖の一端まで分かったわ(笑)少し本物の王女殿、肉体改造でもして遊んでみてはどうだ(笑)?王宮にはリリスが行くことだし、怪しまれることもないだろ。。残念な体とはいえ、そういう身体が好きな男もいることだしな。ではこれから私は王女様のお供をして修道院まで行ってまいる。〙
「では、王女様・勇者殿・修道女殿、修道院まで参りましょう。」
そう三人に声をかけた後、改めて御者に
「待たせたな、改めて町はずれの修道院に向かってくれ。」
と、ヨハンセンが命じると、ゆっくりと馬車は歩み始め、少し後修道院の前に到着する。
「(しかし人間とはつくづく不便な生き物だ…これくらいの距離の移動に何時間もかけおって、私たちのテレポート能力を使えば一瞬なのに。)皆様着いたようです、早速中に宜しいですかな、修道女殿。」
勇者のマントを体に巻き付け、勇者の横で固くなり座っていたルチアは、声をかけられて我に返る。
「は、はい参りましょう皆様。」
修道院の建物の中に入り、会議室らしき部屋に三人を通すとルチアは
「私は館長殿を呼んでから、身なりを整えてまいります。お座りになって、しばしお待ちください。」
※元投稿はこちら >>