ーーーーーーーーーー王宮 前王執務室--------
王都でメルヒルの噂を聞きつけた側近が、前王に報告している。
<それはまことか?勇者メルヒルがそのような所業を、魔の子村で行ったというのか?>
<はっ、なんでも映像にばっちり写っていて、映像を盗み見た者の話では、年端もいかない初潮を迎えたばかりの少女まで手にかけて、嫌がるのを構わず捻じ込んでいるとか。その部分からは鮮血が垂れていたとのことで。>
<私もメルヒルの事甘やかしすぎたかもしれないが、現王はそれ以上に放任して……それはそうと、こんな時にヨハンセンはどこに行った?また王都中をほっつき歩いているのか>
<王都下中を探しておりますが、いまだに見つからず……>
<メルヒルの今回の任務は、手前の山の祠まで。要らぬ心配をする必要はないか。>
<それなのですが、勇者の噂話を聞いた時に一緒に聞いたのですが、勇者が出立する前に、現王と話し込んでいるのを見たと言う者が。>
ーーーーーーーーーー王宮フアナ王女の部屋--------
側近と話し終えた前王は、娘であるフアナ王女の部屋に向かう
侍女に取次ぎを頼むと程なくして、フアナ(リリス)が出てくる
<これはお父さ…いえ前王閣下。いかがなされましたか?>
<いや、身体の調子はどうかと思ってな。(私は何をしたいんだ。身重のフアナに、メルヒルの所業聞かせるわけにもいかんし。フアナの相手は当のメルヒル。尚更聞かせるわけにはいかん。)>
<お気遣いありがとうございます。元気な子らしく、この頃はお腹を蹴ることもあります。(そんなことだけならとっとと帰ってよ。全くもうタイミング悪いったらありゃしない。これから城下で引っ掛けた衛兵とデートなんだから……あの男大きそうだわ。長持ちするかな?妊娠の心配ないって言うと、みんな喜んで中出しするし…人間の男なんてちょろいものだわ。)>
<そうか、くれぐれも大事にな。それはそうと、ヨハンセンをどこかで見かけなかったかな?>
<ヨハンセン殿ですか?さあ、見ておりませんが…>
<そうか。どこかで見かけたら、私の部屋まで来るように、言っておいてくれないか。>
<畏まりました。本日はわざわざのお見舞い痛み入ります。>
前王が立ち去ると、ヨハンセンにテレパシーを送るリリス
〘ヨハンセン様。つい今しがた前王がお見えになり、ヨハンセン様を探しておいででした。〙
ーーーーーーーーーーあばらや--------
果実酒を注いだグラスを揺らしながら、サマエル・ジギタリスとリルベルの会話を聞いていたヨハンセン。
<〘そうか、リリスわかった。そろそろ帰る。〙リルベル聞いた通り、前王がお呼びみたいで行かねばならなくなった。勇者の所業映像を収めた魔石のコピー一個くれないか。戻り掛けにキースのところに行って、本物のフアナ王女へのお土産に置いていってあげよう(笑)>
ーーーーーーーーーーキースの酒場--------
フアナの前に目の前に忽然と姿を現すヨハンセン。
<ヨハンセン貴方何者なの?いえ何者でもいいから助けて頂戴。>
フアナのその懇願を完全に無視したまま、ベットサイドテーブルに、一個の石を置くヨハンセン。
ヨハンセンが石に向かって何事か呟くと、石の上の空中に何事か映像が映し出される。
<その石は何、答えなさいヨハンセン。>
その言葉にも無視したまま部屋を出ていくヨハンセン。
部屋を出たところにキースが。
<ヨハンセン様、おいででしたか。>
<キース、守備は上手くいっているようだな。>
<おかげさまで。映像を保存した魔石は、王国の新聞社の手に渡りました。魔の子村からの使いは、今しがた馬車に乗って、記者と一緒に新聞社へ向かいました。>
<そうかよくやった。その魔石、今フアナ王女の枕元に置いてきた。魔法をかけてあるから大丈夫だとは思うが、魔法が切れて狂って暴れだすかも知れんから、注意しといてくれ。怒りの嘆きの感情は、時として強大なエネルギーを出すからな。>
<はい、畏まりました。>
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