ーーーーーーーーーー山、あばら家--------
二匹の子猫を連れているリルベルと共に、暖炉が灯り温かいあばら家に着くと、
「リルベルの頼みだ。私が回復魔法をかけてあげよう。まあ、私の力を持ってしても、数週間はかかるだろうが…」
回復魔法の呪文を唱え始めようとすると、二匹の子猫が何か訴えようとするかのように、少なくなっているであろう体力を使って「ニャーニャーミャーミャー」と鳴き出す。
「ん?どうした?この魔法で時機に良くなるから。」
只話した時には鳴くのを止め、呪文を唱え始めようとすると泣き出す子猫たち。数度それを繰り返すと流石に違和感を覚えるヨハンセン。
「ん~、何か変だな。この子猫たちは、私に回復魔法を使ってほしくないと訴えてるようだ。といっても舞踏会は明後日。いくら温かくしているとはいえ、このままここに置いていったら直ぐに死んでしまうだろうし。」
「あまり使いたくはなかったが、仕方あるまいな。」
そう言うと何かの呪文を唱えたヨハンセン、次の瞬間猫の鳴き声を発し、子猫と会話らしきものを始める。数分間それが続いたと思うと、次の瞬間、
「これは驚いた。迂闊で全然気が付かなかったが、この二匹は私の叔父の魔法で、姿を変えられた妹と弟ということだ。この二人いや今は二匹か…に回復魔法をかけると、魔法をかけた者の素性・場所が分かる魔法もかけられているということだ。」
猫との会話内容を、かいつまんでリルベルに話したヨハンセンは続けて、
「であれば、その魔法をかいくぐることなど、容易いこと。」
先ずあばら家全体に変身魔法及び隠匿魔法、その同心円20m先に同じく隠匿魔法、そして今いる部屋全体に変身魔法及び隠匿魔法をかけるヨハンセン。
「叔父上とその取り巻きには、この魔法を破ることは、まず不可能だろう…(笑)」
「リルベル済まんが、この子猫たちに、今から教える呪文の、回復魔法をかけてくれぬか。流石にちょっと魔力を使いすぎたようだ、三重の隠匿魔法、変身魔法は流石にきつい、ちょっと魔力を使いすぎた。」
呪文を伝えると、すぐさま子猫に向かって呪文を唱えるリルベル。
次の瞬間、白い子猫が猫の姿のまま
「お兄様、すいません。抜かってしまいました。全てお兄様の言う通りだった。」
「〇〇〇〇か…久しぶりだな。気にすることはない。体力が戻ったわけではないから無理はするなよ。」
「でも叔父様がこのようなこと企んでいようとは……私たち皆叔父様に騙されていました。」
「だから気にしないでいい。先ずは体力を戻してからの話だ。私が生きているのだから、叔父上も父上・母上に手出しはできないからな。私とこの女性、リルベルというんだが……は、明後日人間国王宮で開かれる、舞踏会に出席せねばならんから。明日一杯は、このあばら家で、二人きりゆっくりしようと話していたんだが、思わぬ客人が現れたものだ(笑)」
ーーーーーーーーーー王都入口の酒場前--------
馬車が一軒の建物の前に停まり、外から御者が扉を開けてくれると、
「着いたみたいね〇〇。何か起こるようだったら、私の事守ってよね。」
「もちろんだよ〇〇。君のことは俺が絶対守る。って、ヨハンセン様が厳しく言ってあるって言ってたから、少しは安心してるんだけど。」
「そう言いながら震えてるじゃないの〇〇(笑)」
「怖いんじゃないぞ、武者震いって奴だからな。」
「そう言うことにしておいてあげますよ(笑)さあ行きましょうか。」
魔石を手に先に馬車を降りる孫娘。
「すいませんけど、用事が終わるまで待っていていただけますか?」
御者のそう話すと
「はいそのように、ヨハンセン様、リルベル様から申し付かっております。行ってらっしゃいませ。」
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