〘ハッ!ヨハンセン様、リルベル様、妖水 “虜囚の蜜”の効き目は…、その者の本性も暴くと聞きます、この妖水は私共にも効き目があるのでしょうか?〙
〘えぇ、ハイルにもリリスにもね、少しでも疑う気持ちがあれば本性まで暴くわ、私が作った虜囚の蜜はヨハンセンから習った物だから上級使いでも上級魔族でも…。
ルチアの目、ハイルから離れていないでしょ?このままで勇者に会ったら勇者は嫉妬の塊になるでしょうね。
奥底深い、勇者になる前のただの王国の青年…、貴族でもない、力もない、剣士のハイルに対して憎いとまで思ってしまうかも知れないわ。〙
〘リルベル様、それですと勇者は魔の子山の祠で青石と青百合を採取出来ないのではないでしょうか?〙
〘大丈夫よ、勇者の記憶を操作して村の人達を襲っている間にテレポートして使い魔に頼んで採取してくるわ、ハイル、ルチアから離れてね?〙
〘リリス、勇者とふたりで先にカラマツの下に行きなさい。〙
「想いが通じました…、ハイル様も同じ気持ちでいてくれているなんて嬉しいです。」
「ルチア殿…、私もです、今宵は村祭りの様です、ご一緒して下さいませんか?村祭りでルチア殿に贈り物を…、その前に身支度を整え参りましょう。」
「贈り物ですか?嬉しいです、…デートと言うものでしょうか?」
優しく微笑み頷くハイルと身支度をしてくると部屋を出るルチア。
「勇者様〜、早く行きましょうよ?」
「あぁ、ハイルやルチアも居るだろうし行くとしよう。」
咄嗟にドアの陰に隠れ二人をやり過ごすルチア、部屋に入ると手荷物から少しでも可愛く見える様に着替えている。
己の姿を窓に映すと後ろに映る人の姿、ルチアが振り返ると挨拶をするリルベル。
「こんばんは、ルチア、一度だけ会ったことあるわよね、覚えてるかしら?」
「…あの、どこから?(お会いした事がある?どこで?)」
「テレポートしてきたのよ、酒場の占い師と言えば判るかしら?」
「占い師さん?あの時はベールをなさっていたから判りませんでした、あの、ご要件は?この後、約束が…。」
「ハイルと約束してるのよね?」
「何故それを?」
「ハイルは私達の配下なの、ねぇ、ルチア、勇者が憎くない?獣で嘘つきで平気で仲間を裏切る。」
「ハイル様が配下ですか?勇者は……憎いです!憎い!私の…純潔を奪ったのに平気な顔をしてベル様にまで手を掛けて!
修道女ですが好いた人が出来たのなら私はその方と添い遂げる事も出来たのです。」
「何故、手に掛けたと判るの?」
「……気にしない様にしていましたがこの部屋の臭い、勇者の精の臭いです。」
「そう…、勇者が下劣なのは理解してるのよね?ハイルとの仲が深まる様に私の知る勇者を知りたくない?」
「ハイル様との仲……?はい!知りたいです、深まるのなら知りたいです。」
「辛い思いをするかも知れなくてよ?」
「それでもハイル様と心が近づくなら知りたいです。」
「目を瞑って?私はリルベル、前の名はベル。」
「(ベル様、正聖女様と同じお名前ですが容姿が違います。)」
「そのまま目を瞑っていてね?貴女が考えている通り人間だった時は私は正聖女でした、しかし王女、勇者、騎士、魔法使いに裏切られ冤罪を着せられ処刑されました。
私はある方のお陰で魔の者として復活しました、今から貴女に私の身に起こった事を見せます。
修道女として育った貴方には辛いかと思いますがハイルと添い遂げるには知るべき事です。」
「(ハイル様も魔の者なのでしょうか?でも…ハイル様との口づけの後から添い遂げたいと思ってしまいました。)」
「耐えなさい、ハイルと共に私の配下につきなさい。」
回想魔法をルチアへ……。
−−−回想魔法−−−
ベルは知らなかった悪夢の実をドラゴンに与えられ凶暴化した退治し王国に戻ると世界が統一されている。
恋仲だったメルヒルとベル、それを面白く思っていない王女フアナ、最初に騎士フレデリックに近づき「クレアを魔国へ嫁がせたくなければ。」と
魔法使い、ウォッチャーには「王国推薦で隣国の最高魔法機関、裏側も見られるわよ?」
そして勇者メルヒルには「正聖女を捨てれば国中の女が貴方のものよ。」
騎士より魔法使いより自分の欲望のままベルを捨て冤罪を着せ残酷な拷問
手、足には隷属の枷を着けられ辱めを受け、最後には白い液まみれに…、風呂にも入れない、色んな臭いのするまま、広場へ
その広場には近しい人達への処刑された後が…流す涙も枯れズルズルと引きづられ処刑台に
「私だけなら、私だけだったら恨まなかったのに……。」
−−−ルチア−−−
「嫌ーーーー!」
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