赤々と暖炉に火が灯り時折、パチパチと何かが爆ぜる音がしているあばら家の室内。
自分が眠っていたベットを魔法で整え終えたリルベルが、ヨハンセンの向かいに座ると、
「リルベル、漸く君が願っていた復讐を行う時が来たようだ。最初の獲物は、騎士フレデリックとその姉クレア、時と場所は三日後に王宮で行われるパーティだ。どのように復讐するかは決めたか?」
ヨハンセンは、果実酒の瓶を持ち上げて、リルベルの前にあるグラスに果実酒を注ぐ。
「魔族は酒を注ぐのも魔法でやってしまうが、王宮ではこうやって注いでくれて、これがなかなか良いものでな。といっても、元人間のリルベルは分かっているか。これがパーティに着ていくドレスと宝飾品一式。気に入ってくれると嬉しいのだが。」
一番大きな箱の中には、レースやフリルをふんだんに使った紫色のドレス、細長い箱にはこれも紫色の石(アメジスト?)を使ったネックレスが入っている。
「サイズは大丈夫だと思うが、ドレスを着てみてくれ。宝飾品は、私の瞳と同じ色の物とのリクエストだったので、一番近いと思われる石で誂えさせた。あとこれが同じ石を使ったピアス。」
そう言って小さな箱を一つリルベルに渡したヨハンセンの手元には小さな箱が一つ残されている。
ーーーーーーーーーーパーティ一行---------
洗い場の椅子に座ったベルの背後に膝立ちになったメルヒル。
「さあ、ベル背中を流してあげよう。(なぜかは分からんが、湯に浸かっていたらペニスが元に戻って来た。以前よりは少し小さい気もするが、なにこれだけ戻れば、感じにくいベルも俺の虜。)」
ベルの背中にペニスを押し付けながら、申し訳程度に肩をタオルで撫で始めるメルヒル。
「ありがとうございます、メルヒル様。勇者様にこんなことをしてもらって、申し訳ないことです。(この勇者女好きって聞いたからどんなもの持ってるかと思えば、こんなに小さいの?こんなんで感じるサキュバスなんていないわよ。全く笑っちゃうわね。)」
ベルの横でこれも洗い場の椅子に座り、身体を固く縮こませているルチア。
「ルチア様これでお胸をお隠しください。」
そう言ってハイルは余っているタオルをルチアに渡すと
「ルチア様は旅も初めてのことゆえ分からないのも仕方ないことですが、旅の途中ではこうやって背中を流し合うことも、普通のことなのです。」
言いながらルチアの背中を流すハイルの手はどこまでも優しい。
いつの間にかハイルの手の動きに身を任せていたルチア。
わずかに開いたその口からは、吐息にも似た息が漏れ始めている。
手桶でルチアの背中に湯をかけたハイル
「終わりました、ルチア様。お湯に入りましょうか。」
「ハイル様…あの……旅ではお背中を流し合うのも、普通の事なのですよね…でしたら今度は私がハイル様のお背中を……」
「ルチア様が私の背中を……それは有り難いことです。申し訳ありませんがよろしくお願いします。」
ルチアと入れ替わりに洗い場用いすに腰を下ろしたハイル。
ルチアの手の動きに身を任せていると急に
「ハイル様、左腕を上げていただけますか?」
とのルチアの声。
「まぁ、ハイル様これは痣でしょうか?何かの紋章のようにも見えますけど。」
「あぁ、それですか…私の生国では、生まれながらにどこかに痣がある者が多いのです。私の場合それが脇の下だったと。」
「そうですか、立ち入ったことを申し訳ございません、ハイル様」
その後は無言でハイルの背中を流すルチア。手桶で湯を流し
「これで終わりです、ハイル様。お湯に入りましょう、外は恥ずかしい…(ハイル様はやはり勇者なんかとは違う、脚に手を伸ばしてこなかったし、間違えたとか言って、胸を揉んでくることもなかった。どうせ同じ純潔を捧げるなら、ハイル様の方が……何私ったら、何変なこと考えてるの。)」
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