酒場の奥にて、囚われの本物のルチア王女に哀れみともなんともいえぬ目を一瞬向けたヨハンセン、
「麗しの君よ、いつかのあばら家に、ドレス及び酒肴の用意等を整えておいた故、一緒に参ろうか。」
そう、ヨハンセンが言ったかと思うと、二人の姿はカーテンの向こうに消え、その直後酒場からも一瞬のうちにかき消えていた。
「(ヨハンセン……何故私に気が付かないのですヨハンセン。)」
ルチア王女の声なき声は、誰の耳にも届かなかった。
ーーーーーーーーーーパーティ一行---------
〘リルベル様、聞き入れていただきありがとうございます。
温泉に浸かった時にペニスが元に戻れば、最低でも勇者の奴間違いなくルチアかオートマタのどちらかには襲い掛かるものと。
勇者め、道中これまで何度か、オートマタに手を出しておりますが、ペニスがあれのため最後まで達せておりません。
オートマタも嫌がるそぶりは見せませんが、かといって勇者に触られている最中に、声一つ上げておりませんので、勇者の自尊心はかなり傷つけられているかと。
色々考えますと勇者が最初に襲うのはオートマタであるかと。〙
〘えっ私勇者にやられちゃうの?リルベル様ぁ…やられついでに、リルベル様から託されたあれ、その時に勇者の尿道から仕込んじゃっていいですか。〙
〘オートマタね…細かいことはハイルに任せてますから、ハイルの言うこと聞いてちょうだい。〙
〘は~い…人間のペニスって、先が分かれるわけでもないし、中で膨張もしないから、気持ちよくもなんともないのよね。ハイル、この旅が無事成功裏に終わったら、貴方の先割れペニスでおまんこと尻穴一気に貫いてちょうだいよ。〙
〘オートマタ、それはおいおいな。もう宿だから、テレパシーはとりあえずこれまでだ。〙
「ふう、やっと着いたな。ハイル疲れてるとこ悪いが、部屋取れるか聞いてきてくれるか。」
と、メルヒル。
「はいわかりましたメルヒル様。」
ハイルが宿に向かおうと歩を進めると、
「ハイル様、私も一緒に。」
そう声が聞こえ、いつの間にかルチアが隣に。
「では御一緒しましょうか、ルチア様。(勇者も嫌われたものだな。一刻たりとも一緒にいたくないってことか。)」
宿に向かう二人を見送りながら、
「(ルチアの奴、健気なものだ。私を振り向かせようとハイルに言い寄って、私にヤキモチを焼かせようとしてるのか。)」
ーーーーーーーーーーリルベル復活、その後---------
「歩けるようになって、魔法の鍛錬にも精がでているようだ。」
ベットに眠るリルベルを見下ろして呟くヨハンセン。
「美味いものでも用意しておいてやるか。」
手指を振ると、湯気を立てている食事が出現する。
「冷めることはないと思うが、もし冷めた時の為、温める魔法のやり方を書いておいてやろうか…聖魔法とはちょっとやり方が違うが、効き目はこちらの方が強いはず。」
ーーーーーーーーーーメモ---------
リルベルよ。
名族になったとはいえ、動けるようになったからと言って、急激に動かすのは毒だからな。程々にしておくんだな。
食事を用意しておいたから起きたら食べてくれ。
温める魔法も書いておく。
この魔法出力を間違えると、鶏どころか豚牛さえも一瞬のうちに消し炭に変えるからな、注意することだ。
ーーーーーーーーーー再びパーティ一行---------
ハイルと共に宿に入り、ハイルが交渉しているのを後ろで見ているルチア。
「(勇者と一緒にいるのが嫌で、ハイル様に付いてきてしまったけど、今向こうにいるのは野獣の勇者と見目麗しいベル様の二人。
私ったら、修道女にあるまじき行為を…自分の身を最優先に考えてしまった…どうしよう向こうに戻った方が……)」
そこまで考えた時ハイルが
「ルチア様、何とか二部屋二泊用意できました。ここのお宿の近くに温泉があるそうですので、一休みしたら皆で向かいましょう。
勇者様にも報告しなければですね。」
「そ、そうですね……(勇者の悪行をハイル様に伝えるには、今がチャンス。どうしよう…)」
「ルチア様考え込んでどうかされましたか?早く戻って報告しましょう。それにやっと湯浴みができますよ。」
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