〘クスクス…、愛しの相方さん、視えてるわ、本当によく言ったものだわ、弱い者ほどよく吠えるね。
ハイルは上手に騎士になっているのね、館長でさえもインキュバスと気づいていないのね。
力の弱まった勇者が気づくわけもないわね、しかしハイルにマウント取ったところで一見紳士的な出立ちでルチアが不快を表してないのだから
勇者よりハイルに今の所は軍配が上がってるわね、力だって勇者よりハイルでしょうに…。
フフフッ、ハイルが魔国の者と知ったら勇者はどうするのかしらね?
その前にルチアには堕ちて貰うけれど勇者にもインモラルに堕ちて貰わないとなのよね…。
リリス、聞いてますか?勇者に襲われたらオートマタのベルの魔法を一部使えなくしようと思うの。
それでハイルに怪我をさせて……勇者の責任にする。
ベル、ルチアを襲ったから魔法が発動しなかった、ルチアを庇ったハイルが少し重めの怪我をする、どうかしらこの筋書きは?〙
〘リルベル様、仰せのままに…、そちらの魔法使いと騎士はどう始末を付けるのですか?〙
〘そうね、魔法使いは…魔法禁書が読めると王女に誘い出してもらって魔法を発動して自ら破滅してもらいましょうか?どうかしら愛しの相方さん?〙
〘騎士は如何されるのですか?〙
〘大事な大事な姉君を魔国に嫁がせたくない…、そうね、私、その大事な姉君とやらと接触してみようかしら…。
淑女の鑑と言われている信心深く心のお優しい女性らしいから…、暗部を擽るのも面白そうね、愛しの相方さん、手伝ってくれるかしら?
貴族のパーティーで接触してみようと思うの。エスコートよろしく頼むわ、その前にドレス一式揃えないとだわ。
愛しの相方さん、私の為に貴方の目の色の素敵なドレスと宝石をプレゼントして頂戴。〙
−−−礼拝後、出発−−−
「私はベル様の隣に座りたいです。」
「それはいい考えですが…、馬車は山道に向かいますので揺れる事が予測されます。
よろしければルチア殿、私の隣にお座りになりませんか?」
「ハイル様、宜しいのでしょうか?(あっ、でもベル様が汚らわしい勇者の隣に…。)」
「そうですね、男性に支えてもらって乗った方が安定しますものね。」
「俺もそう思う、ルチアとはベルより少し前に知った仲、親交を深めると言う意味でもいいと思うぞ、なっ、ハイル。」
「はい、勇者様。」
勇者メルヒルは主導権を握ろうと三人の名を敬称を付けずに呼び始めるがハイルはルチアにもオートマタにも紳士然で話し掛ける。
ルチアもオートマタもハイル同様、メルヒルと一線を置いている。
「ベル、貴女はギルドに所属していると聞いたが今まで噂も聞いたことがない。」
「えぇ、メルヒル様が最前線にいらっしゃる時にこの国へ移民として避難してきたので…。
戦争ですから仕方ありません、母国は東国の水龍に護られた国でした…、メルヒル様ならお分かりでしょう?」
「水と緑豊かなあの国か…、申し訳ないことをした。が中央国の勇者である私には王命で国統一と……。(不味いぞ、話題をそらさないと…。)」
オートマタの話を聞き額の汗を拭いながら話題を逸らせないかと、その時、馬車がガクンと揺れオートマタがメルヒルに抱きつく形となる。
リルベルが改造した人間の肌感、柔らかさをそのままにしたメルヒル好みの大きさの乳房がメルヒルの手に……。
「(ウヒョー、柔らけー、デケー、少し揉んでも大丈夫か?)」
「ンッ……、ァッ…。」
「(ベルは敏感なのか?聖女の裸は盗み見たが触ったことがない。惜しいことした、処刑前、襲わせる前に一発遣っとけばよかった…。)
ベル、大丈夫か?」
「はい、すみませんがメルビル様、揺れがおさまるまで支えてもらっても宜しいでしょうか?」
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